第22話 レベル26(七か月前)
アニメやラノベでそれなりの知識はあったので俺はすぐにダンジョンでの生活に順応することができた。
ステータスボードの開き方は独自でみつけ出したし、ダンジョンに潜む魔物とも戦って倒せばレベルが上がるだろうことは容易に想像がついた。
今思えばだが最初に入ったダンジョンがかなりランクの低いところだったのは僥倖だった。
もし上位ランクのダンジョンだったならどうなっていたことか。考えただけで恐ろしい。
あとから知ったことだが公園内に出現したダンジョンはランクXのダンジョンだったのだ。
出てくる魔物はスライムばかりで地下五階まで行ってようやく大きなモモンガの化け物や角の生えたブタの化け物が姿を見せるようになった。
その頃にはスライム狩りによって俺はレベルが6まで上がっていたので新たに現れた魔物にも充分対処できた。
そして俺のレベルが10に上がった時スキル【レベルフリー】と【火炎魔法ランク1】を覚えた。
さらにレベルが15で【氷結魔法ランク1】を、レベル20で【経験値1000倍】と【火炎魔法ランク2】を身につけたのだった。
ここまでで大体一か月を要したのだが前述のとおりレベル20からレベル26へは【経験値1000倍】の効果によってたった三十秒足らずで上げてみせた。
☆ ☆ ☆
レベル26に上がった俺は地上の様子がふと気になって地上に出てみた。
そこにはこれからまさにダンジョンに入らんとする男性三人組の姿があった。
その人たちの話で初めて緊急事態宣言がすでに解かれていたことや国がダンジョンに入るプレイヤーを全面的に支援することを決めたことなどを知る。
俺はすぐさまネットカフェに向かうとスマホの充電をしつつダンジョンに関するあらゆる情報を集めた。
ここ一か月スライムがドロップした薬草とポーションしか口にしていなかった俺はコーラとハンバーガーで腹を落ち着かせると当面のお金をダンジョンで稼ぐことに決める。
「よし。腹も膨れたしダンジョンに戻るか」
と席を立つも、
「いや、ちょっと待てよ」
と立ち止まる。
俺はすでにレベル26だ。
今さら公園のダンジョンに戻ったところで稼げる額はたかが知れている。
それよりどうせならもっと強い魔物の出るダンジョンでレアアイテムを回収した方が効率がいいんじゃないのか。
そう思い至り俺はダンジョン検索をしてすぐ近くのランクSダンジョン、通称浅い凪のダンジョンに潜ることを決意したのだった。
『ダンジョン・ニート・ダンジョン』という小説も書いているのでよろしくお願いいたしますm(__)m




