第165話 マジカル大王スライム
「げっ……でっかくなっちゃった……!?」
『フィギー!!!』
数百匹のマジカルスライムがくっついて融合した結果通路の幅、縦横十メートルくらいのどでかい真っ赤なスライムに変化したのだった。
「ステータスオープンっ」
俺はすぐさま目の前に現れた巨大なスライムの名前を確認する。
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マジカル大王スライム
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「マジカル大王スライムっ……!?」
巨大な魔物の出現に虚を突かれていた俺はここでようやく高野のことを思い出した。
「あっ、ヤベっ……高野どこだっ! 無事かっ!」
「ここですっ、なんとか無事ですーっ」
高野はスキルの効果で透明になっていながらも地面をばしばし叩いて自分の居場所を知らせてくれる。
『フィギー!!!』
マジカル大王スライムはまん丸な目で俺だけを凝視していて後ろにいる高野の存在にはまったく気付いていないようなのでとりあえずは一安心だ。
「高野そこでじっとしてろっ、今こいつを倒すからっ」
と俺が口にした瞬間だった。
俺の言葉を理解したのかマジカル大王スライムがくるりと方向転換すると脱兎のごとく逃げ出した。
「あ……れ? 逃げちゃったぞ……」
戦う気満々だったのにマジカル大王スライムが突如として逃げ出したことで呆気にとられてしまう俺。
「真琴さんっ」
「おおっ、高野」
いつの間にか俺の左隣に移動していた高野に声をかけられる。
まだ透明なままだったので少しだけびくっとなる。
「真琴さん。わたしさっきこっそり識別魔法を使ってあの大きな赤いスライムを詳しく見たんですけど、あのマジカル大王スライムってやつ、ちからの数値が0みたいです」
「え、ちからが0っ?」
「はい。その代わりにみのまもりとすばやさがとんでもなく高いみたいなんです。あれってもしかして結構レアな魔物なんじゃないですか?」
「かもしれないな」
過去に大王スライムという魔物に出遭ったことがあるが、その魔物もすばやさが異常に高く逃げるばかりで一切攻撃をしてこなかった。
倒した時の獲得経験値もかなり高かったことを憶えている。
「よし、あいつ倒すぞ」
「えっ? あんな逃げ足の速い魔物を倒すんですか? 追いつきますかね、めちゃくちゃ速かったですよ」
「大丈夫だよ。俺の方が速いから」
☆ ☆ ☆
俺たちは大きな部屋に移動した。
そこで、
「高野はここで待っててくれ。すぐにさっきのスライムを倒して戻ってくるから」
高野には透明になったまま待っていてもらう。
「わかりました――っていましたよっ! ほら、あそこっ!」
高野が声を上げた。
ほら、と言われても透明なのでどこを指して言っているのかわからないのだが。
とりあえず俺は振り返る。
と大部屋の出入り口から見える通路の通り道にマジカル大王スライムが止まってこっちをじーっとみつめていた。
「ほんとだっ、みつけたぞっ!」
言うが早いか俺はマジカル大王スライムに向かって駆け出していた。
『ダンジョン・ニート・ダンジョン ~ダンジョン攻略でお金が稼げるようになったニートは有り余る時間でダンジョンに潜る~』
という小説も書いているのでとりあえずブクマだけでもよろしくお願いいたしますm(__)m




