第146話 決勝戦開始
「……ぅん……」
「真琴様、気がつかれたようですわよっ」
リングから離れた場所にあったベンチに寝かせていた斎藤が目を覚ましたらしくマリアが俺の肩を叩く。
「おっ本当だ。大丈夫か? 斎藤」
「…………問題ない」
斎藤は周りを少しきょろきょろしてから返した。
「そっか」
「それでは間もなく決勝戦を始めたいと思います! 栗田選手と佐倉選手はリングに上がってください!」
マイクを通して川尻さんの声が届いてくる。
「真琴様、もう決勝戦が始まりますから真琴様は行ってくださいませ」
「そうか、悪いな」
俺はマリアと起きたばかりの斎藤を見下ろすと、
「じゃあ行ってくる」
刀を持ってリングに向かっていった。
☆ ☆ ☆
準決勝での斎藤の隕石魔法によってボロボロになったリング上にはすでに栗田さんがスタンバイしていた。
「すいません、お待たせしましたっ」
「全然いいよ」
栗田さんは手を振り笑顔で返す。
「栗田選手と佐倉選手がそろったところで、なんと三原議員からお言葉をいただけるということなので三原議員にもリングに上がってきていただきましょう!」
「「「おおーっ」」」
野次馬から歓声が上がった。
三原議員は与党議員の中でも若者に特に人気があると聞いたことがあるからな。当然の反応かもしれない。
ハイヒールをつかつかと鳴らしながら黒服の男性たちとともにリングまでやってくると三原議員は川尻さんの手を借りてリングに上がる。
そして足場の悪い中俺と栗田さんのもとまで歩み寄ってきた三原議員が川尻さんから手渡されたマイクを口元に当てた。
「まずはこの国主催での新しい試みである格闘大会に参加してくださった皆様、そして足を運んでくださった皆様にお礼を申し上げたいと思います。本日はどうもありがとうございます」
続けて、
「前述の通りこの大会は政府としても新しい試みですので至らぬ点もあるかとは思いますが、将来的にはもっと大規模なものにしてより国民の皆様に親しまれる大会となりますよう一層努力してまいりたいと思っておりますので皆様のご尽力のほどよろしくお願いいたします」
その場にいる全員と目を合わせるかのように一人一人しっかりとみつめて話しかけていく。
「そして決勝に残ったお二人にはこれまで以上に素晴らしい戦いを期待したいと思います。優勝賞品のアルカディアを手にするのはお二人のうちの果たしてどちらなのか、童心に帰った気持ちではらはらどきどきしながら見させていただきたいと思います」
言うと三原議員は野次馬に向かって一礼したのち川尻さんにマイクを託し黒服の男性たちとともにリングを下りていった。
マイクを受け取った川尻さんが、
「えー、それではこれより決勝戦を行いたいと思います! 両者とも準備はよろしいですね!」
俺たちに目をやる。
「いいですよ」
「俺も大丈夫です」
栗田さんと俺が答えると、
「では決勝戦、始めっ!」
公園内に川尻さんの声が響き渡った。
『レベリング・マーダー~一週間に一回人を殺さないと自分が死んでしまうのでそれならいっそ勧善懲悪したいと思います~』
現在ローファンタジーランキング1位です! ブクマと評価よろしくお願いいたしますm(__)m




