第131話 呪われしアイテム
「神代、この鎧も呪われているんだよな。これはどんなアイテムなんだ?」
俺は黒光りする鎧を指差し訊ねた。
「それは封魔の鎧といって装備すると魔法が一切使えなくなるという鎧です」
「ふーん。じゃあこっちの兜は?」
「その兜は目くらましの兜ですね。装着した者の視覚を完全に奪う兜です」
二本の角が生えたようなデザインの銀色の兜を手で指し示しながら神代が答える。
「目が見えなくなるのか……それはさすがにやりすぎだな。そんな状態で戦ったら余計怪しまれるだけだもんな」
「ふふ、そうですね」
俺たちは神代の家で呪われたアイテムに囲まれながら格闘大会に身につけていくアイテムを吟味していた。
だが呪われているアイテムだけあってなかなかめぼしいものがみつからない。
「いい感じにハンデがつくくらいがベストなんだけどなぁ」
「それでしたらこのリストバンドはどうですか?」
そう言うと神代はプロ野球選手がしているようなシンプルな白いリストバンドを差し出してきた。
「このアイテムは虚弱バンドといって身につけると全パラメータが百分の一になります」
「百分の一!?」
「はい。失礼ですが佐倉さんの今のちからのパラメータはどれくらいですか?」
「えっと、たしか二十万くらいだったと思うけど……」
「ということはこれを装着すると佐倉さんのちからは二千くらいに激減するということになりますね」
と神代。
続けて、
「僕は現在レベル99なのですが今の僕の全パラメータを平均すると大体九百五十ほどなのでこれを身につけた佐倉さんがもし本気を出したとしてもある程度は応戦出来ると思いますよ」
神代は言う。
「なるほど」
「それに加えてこの武器もお貸ししますよ」
神代はさらに一口の細長い刀を持ち上げた。
「それは?」
「これはスキル断ちという刀です。その名の通り持ち主はこの刀を握っている間スキルが一切使用不能になります」
「スキルなしで戦うのか?」
スキルが使用不能ということは【魔法耐性(強)】や【状態異常自然回復】といったスキルの効果が期待できないほか全魔法も使えなくなるわけだ。
「それくらいのハンデがあってちょうどいいくらいじゃないでしょうか」
「う~ん、まあ、神代がそう言うならのならそうなのかもな」
「ちなみにこのスキル断ちですが逆刃刀なので相手を殺したりする心配もないと思いますよ」
「逆刃刀ねぇ……」
漫画でしか見たことがないがたしかにこれなら殺傷能力はなさそうだ。
「わかった。じゃあ格闘大会にはこのリストバンドとその刀を持って出場するよ」
「はい。僕は応援には行けませんが佐倉さんが極力目立たず優勝されることを陰ながら祈っています」
「難しい注文だな、まったく」
とそこへ、
「閃一様、失礼いたします。お飲み物をお持ちいたしました」
ドアの外から声がかけられた。
さっき玄関前で会った九曜さんだ。
「ありがとうございます、九曜さん。あとはこちらでやりますからドアの前に置いておいてください」
「承知いたしました……では失礼いたします」
コトッという音がして九曜さんが立ち去っていく。
ドアを開け二つのティーカップを乗せたおぼんを部屋に運び込む神代に、
「なあ、今さらだけどこのアイテムって海道も知ってるんだろ。だとしたら俺がそんな呪われたアイテムを使ってたら不審に思うんじゃないか?」
俺が問いかけると、
「海道さんは自分が気に入らないアイテムのことなどいちいち覚えてはいませんよ」
神代は事もなげに返すのだった。
『Sランクパーティーを追放された鍛冶職人、世界最強へと至る ~暇になったおっさんは気晴らしに作ったチート武器で無双する~』
という小説も書いているのでせめてブクマだけでもよろしくお願いいたしますm(__)m




