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第124話 夜空へ

獲得賞金ランキングが掲載された電光掲示板を眺めながら現政権に愚痴をこぼしていると、


ピリリリリ……。ピリリリリ……。ピリリリリ……。


スマホの着信音が鳴った。

画面を確認するとそれは磯さんからの着信だった。


「はい、もしもし」

『佐倉さぁん! わたし磯ですぅ。聞いてください、わたし今さっき深い霧のダンジョンを一人でクリア出来たんですよぉ~』


それはランクGのダンジョンを一人でクリア出来たという報告の電話だった。

よほど嬉しかったのだろう、こういう形での電話は初めてだ。

それにしてもさすが【物理攻撃無効化】と【魔法無効化】のスキルを持っているだけのことはあるな。


「それはすごいですね磯さん。でもダンジョンセンターではそれよりもっとすごいことになってますけど……磯さん、今どこですか?」

『わたしですかぁ? 秋田県のにかほ市っていうところにあるダンジョンセンターの前ですけど』

「ちょうどよかった。じゃあ中に入ったら電光掲示板があると思うんでそれ見てみてください」

『電光掲示板ですかぁ、ちょっと待ってくださいぃ……ふぇっ!? あ、あ、あ、あれなんですかぁ~っ、わたしの名前が一番上に載ってますぅ~っ』

スマホから悲鳴めいた磯さんの震えた声が聞こえてくる。


「これまでダンジョンで稼いだ額のランキングだそうですよ。磯さんは堂々の一位です」

『な、なんでですかぁ~っ』

「なんでってダークマターが八千万円で売れたからでしょう」

『こんなに目立っちゃったらわたし困りますぅ~っ』

「一応言っておきますけど名前が大々的に報じられてしまったんですから大金を持ち歩いちゃ駄目ですよ。あと変な人に騙されないように気をつけてくださいね」

磯さんなら強盗に襲われても問題はなさそうだが騙される可能性は充分あるからな。


「じゃあそういうことなんでもう夜遅いし切りますね」

『あっ待ってくだ』

磯さんは何かまだ喋っていたが俺は途中で切ってしまった。

ちょっと無神経かとも思ったがまあ深夜に電話してくる磯さんも磯さんだからお互い様だろう。



「すいません、勝手に電話に出ちゃって……ってなんですかその顔?」


見ると綾子さんと人志さんはにやにやしながら俺をみつめていた。


「今の電話の子が一位の子でしょ。磯美樹ちゃんだっけ?」

「はい、そうですけど……」

「仲良さそうじゃないのっ」

言いながら綾子さんは「このこのっ」とひじでつついてくる。


なんだ、この妙なテンションは?


「磯美樹ちゃんてどんな子なの? お姉さんに教えてみなさい」

「どんなって……ちょっと変わってますけど、真面目で優しい人ですよ」

「へー。ふーん、そうなんだ~」

「そうかそうか~」

綾子さんと人志さんは何が楽しいのか笑みを絶やさない。


……よくわからないけどなんか居心地が悪いな。



「えっと……俺そろそろ行きますね」

「そうかい? じゃあ佐倉くんともこれでお別れだね」

「ダンジョンクリアのお金は貰ったらちゃんと振り込んでおくから安心してね」

「はい、よろしくお願いします」


俺は会釈をすると二人を残し一足先にダンジョンセンターをあとにした。

そしてビルとビルの間の暗がりから夜空に飛び立つと一路自宅へと舞い戻るのだった。

『ダンジョン・ニート・ダンジョン ~ダンジョン攻略でお金が稼げるようになったニートは有り余る時間でダンジョンに潜る~』

という小説も書いているのでとりあえずブクマだけでもよろしくお願いいたしますm(__)m

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― 新着の感想 ―
[一言] 主人公の章が変わる時は、関わる人が変わる時ですな(*´∀`) 次はどんな人が来るかしら?( ̄ー ̄)
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