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第119話 デュラハン



*************************************


デュラハン


*************************************



「デュラハン……こいつがボスか」

「薄気味悪いわね」

武器を構えて横に並んだ人志さんと綾子さんが首のない騎士を見据えながら口にする。


「佐倉くんは絶対戦っちゃ駄目よ。危なくなったらすぐ逃げてね。いいっ?」

「は、はい」

「人志、わたしからいくわよっ」

「頼むっ」

「スキル、発破魔法ランク5っ!」

唱えると綾子さんの持つ杖から黄色の光球が飛び出しデュラハンに向かっていった。


ドォーン。


だがデュラハンは大きな盾でこれを防ぐ。


さらにそのまま、

『ヌーン……』

鎖のついた盾をびゅんびゅん振り回すとそれを投げつけてきた。


「きゃあっっ」

「綾子っ」

盾による攻撃をくらい後ろに飛ばされる綾子さん。

人志さんが駆け寄る。


「へ、平気よ。でもわたしの魔法が効かないわ……」

「おれがあの盾をなんとかしてみるよ」

そう言うと人志さんは、

「スキル、パラメータ倍化っ!」

すべてのパラメータを一時的に倍にするスキルを使用して自らを強化するとデュラハンめがけて飛び込んだ。


「はあぁっ!」

剣を両手で持って全力で斬りかかる。


ガンッ!


盾で防がれるも、

「まだまだぁっ!」

人志さんは連続で剣を打ち込んでいった。


ガンッ!

ガンッ!

ガンッ!

ガキィィーン!


『ヌーン……!?』

人志さんの素早い剣撃にデュラハンは盾をはじき飛ばされる。


「今だっ」

鎧の隙間を縫うように人志さんがデュラハンの腹に剣を突き刺した。

剣は鎧を貫きデュラハンの動きが止まる。


するとここぞとばかりに、

「スキル、発破魔法ランク5っ!」

綾子さんが魔法で追撃をくらわせた。


ドォーン!


発破魔法が直撃し剣が腹を貫通したままのデュラハンは砂ぼこりが舞う中微動だにせずただ立ち尽くしている。



やったのか……?


顔がないから表情を読み取れないので優勢なのか劣勢なのかわかりづらい。


「人志、倒したのっ?」

「いや、まだだと思う。でもっ……」

言うなり人志さんはデュラハンから剣を引き抜くと今度は心臓の辺りを狙ってもう一度攻撃を仕掛けるため剣を上段に構えた。


「これで終わりだっ」

人志さんが剣を振り下ろしたその時だった。

『ヌーン!』

デュラハンが突如として動き出し人志さんの首を掴んで高々と持ち上げた。


「うがぁっ……くっ……」

「人志っ!」

「……かはぁっ……」

足をばたつかせ、かすれた声でもがき苦しむ人志さん。

剣を手放し両手で必死にデュラハンの手を引きはがそうとするがままならないでいる。


「スキル、発破魔法ランク5っ!」

綾子さんもデュラハンから人志さんを助けようと魔法攻撃を試みるがデュラハンはびくともしない。


「人志ぃっ!」

「……かぁ……かっ……」

『ヌーン!』


まさに絶体絶命。

人志さんと綾子さんは敗北を予感しデュラハンは勝利を確信していたことだろう。


その場に俺という存在がいなければ事実そうなっていたかもしれない。だがもちろん俺がそれを許すはずもなく、


「おりゃあっ!」

ドゴオオォォーン!!!


瞬時に前にいた綾子さんを抜き去った俺はデュラハンの腹めがけて右こぶしを打ち込んだ。


刹那デュラハンがばらばらになって吹き飛び、デュラハンにつかまっていた人志さんは「いてっ」と地面に落ちる。


「ごほっ、ごほっ……さ、佐倉くん……?」

「さ、佐倉くんっ……!?」


人志さんと綾子さんが俺の名を口にして呆然とする中、


《佐倉真琴のレベルが1489上がりました》


俺の脳内ではレベルアップを告げる機械音がこだましていた。

『ダンジョン・ニート・ダンジョン ~ダンジョン攻略でお金が稼げるようになったニートは有り余る時間でダンジョンに潜る~』

という小説も書いているのでせめてブクマだけでもよろしくお願いいたしますm(__)m

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― 新着の感想 ―
[一言] 夫婦が海道さんみたいに、横取りしやがって!って腹パンきめたら面白そう
[一言] 夫婦「おれたち、佐倉くんがワンパンで倒せる程度までにデュラハンを追い詰めていたんだな……」
[一言] (๑╹ω╹๑ )これ連続でパンチ連打したら大抵の敵が肉片ですね。ただ、白モヤシみたいにベクトルを操って打撃を反射してきたら最悪ですけど。
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