第105話 アイテム発見?
分かれ道に戻ってくると俺は今度は右から二番目の通路を選ぶ。
だがその道に足を一歩踏み入れた途端足がずぼっと砂にはまり、
「うおっ!? なんだっ……!?」
底なし沼の如く足を上げようとしてもそのまま引きずり込まれてしまう。
「おっと、そうだ……飛翔魔法ランク9っ」
俺は一旦冷静になると飛翔魔法で飛び上がりさながら蟻地獄のような砂のトラップから抜け出た。
「あっぶねー。これが磯さんだったら今のトラップにはまって永遠に砂の中なんてことになってたかもな」
危なっかしい磯さんのことを思い出し少しだけ気持ちのなごんだ俺は再び通路を歩き出す。
☆ ☆ ☆
しばらく通路に沿って歩いていくと前方に壁が見えた。
また行き止まりか……。
そう思うもよくよく目を凝らして見ると地面に何かが落ちている。
「アイテム……?」
俺は注視しながらゆっくりとそれに近付いていった。
そして手の届く距離まで来たところで、
「これ……ナスか?」
地面に落ちていたものが野菜のナスだったことに気付く。
それを持ち上げいろんな角度から確かめるがやはりどう見てもただのナスだ。
「なんでこんなところにナスが落ちてるんだ……?」
俺は一応アイテムの可能性もまだ捨てきれないと思い一縷の望みを託してステータス画面を表示させた。
するとアイテム欄ではなく魔物の欄に、
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ナスビモドキ
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と名前が浮かび上がる。
「えっ、こいつ魔物っ!?」
思わず声を上げたその時だった。
ナスビモドキのヘタの部分にあったトゲがひゅんと伸びて俺の指に刺さった。
「いてっ!」
一瞬だけちくっと痛みが走った次の瞬間俺は、
「あ、あれぇ……?」
急に意識がもうろうとし出して体から力が抜けるとどさっと地面に倒れ込む。
……体中がしびれて全然力が入らない。
手足を動かすどころかまぶたを開くことさえままならない。
呼吸も浅くなってき、た……。
『ダンジョン・ニート・ダンジョン ~ダンジョン攻略でお金が稼げるようになったニートは有り余る時間でダンジョンに潜る~』
という小説も書いているのでせめてブクマだけでもよろしくお願いいたしますm(__)m




