第101話 佐倉真琴十七歳
磯さんとのダンジョン探索から三か月が過ぎ、季節は春を迎え俺は十七歳になっていた。
もちろんこの三か月の間も俺は県内外を問わず様々なダンジョンにひたすら潜り続けていたのだが少々調子に乗りすぎてしまった。
というのも未踏破ダンジョンクリア時の報酬が設けられたことがその一因だ。
俺はこれまでは出来るだけ悪目立ちしないようにとダンジョンをクリアしてもその報告を一切していなかったのだがクリア報酬の三百万円欲しさにその旨をダンジョンセンターに報告するようになっていた。
それにより俺は弱冠十七歳でありながら貯金額が五千万円を超えるまでになっていたがそれと同時にダンジョンセンターの職員、ひいてはほかのプレイヤー、さらにはプレイヤーではない一般人にまでも名前を知られる存在となってしまっていたのだった。
「ヤベー、やりすぎた~……」
今さらながら俺は自分の部屋のベッドの上であぐらをかくと天井を見上げながら後悔の念をにじませる。
俺は世間の反応を甘く見ていたふしがあった。
土倉兄弟とのバトル動画が世に出回ってもさほど町でもダンジョンセンターでも顔を指されたりしなかったことが俺の行動を大胆にさせたのだ。
それでもまだ初めの頃はダンジョンクリアの報告も人が少ない時間帯を狙ってダンジョンセンターにこっそりと報告しに行って、報酬を受け取る際も誰にも見られないようにしていたのだが三か月もするとそれも面倒くさくなり俺は人目も気にせず堂々とダンジョンクリアの報告とともに沢山のレアアイテムをダンジョンセンターに持ち込むようになっていた。
おかげで今や俺は閃光の紅蓮団と肩を並べるほどのプレイヤーとしての知名度を得てしまっている。
「……一応高ランクダンジョンはさけてたんだけどなぁ~」
高ランクの未踏破ダンジョンクリアを連発するとさすがに騒がれると思ったのでランクF以上のダンジョンには一切足を踏み入れてはいなかったのだが……それでも俺の考えは充分甘かったようだ。
ちなみに俺のレベルはダンジョンに潜り続けていたことで24991から38016まで上がっている。
「はぁ~……ステータスオープン」
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名前:佐倉真琴
レベル:38016
HP:233627/233627 MP:201998/201998
ちから:214743
みのまもり:197755
すばやさ:180019
スキル:経験値1000倍
:レベルフリー
:必要経験値1/20
:魔法耐性(強)
:魔法効果7倍
:状態異常自然回復
:火炎魔法ランク10
:氷結魔法ランク10
:電撃魔法ランク10
:飛翔魔法ランク9
:転移魔法ランク3
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幸いなことに俺のレベルが桁外れだということは神代と磯さん以外には知られてはいない。
神代も磯さんも俺との約束を守り誰にも話してはいないようだしこの秘密だけはなんとしてでも死守しなければ……。
『ダンジョン・ニート・ダンジョン ~ダンジョン攻略でお金が稼げるようになったニートは有り余る時間でダンジョンに潜る~』
という小説も書いているのでとりあえずブクマだけでもよろしくお願いいたしますm(__)m




