第0話 プロローグ
俺の名前は佐倉真琴。十六歳。
高校一年の春、ちょっとしたいさかいを起こし高校を退学になってからは家で引きこもりの生活を送っていた。
もともと義理の母とは折り合いが悪かったのに日がな一日家にいることで関係はさらに悪化、ついには父を巻き込んでの大喧嘩にまで発展した。
俺はその日に家を飛び出し公園で寝泊まりすることを決意する。
そのわずか二日後のことだった。世界中に突如としてダンジョンが出現したのは。
ダンジョンが現れて世界は一変した。
まず人間にレベルシステムが発現した。これによりこれまでの常識や価値観が崩れていった。
人間の価値が学歴や年収、性格や見た目といったものからレベルへと変わっていった。
どうしてそうなったか……答えは単純だ。
レベルが高ければ高いほどその人間は強いからだ。
ダンジョン内では様々なアイテムを手に入れることが出来るのだがそのどれもが現代科学では説明できないものばかり。
世界各国はそんな貴重なアイテムを他国に渡すまいと躍起になり、自国でのダンジョン探索者を多く募った。
探索者には異常なほどの優遇制度が導入され所得税の免税などがなされた。逆にダンジョンに入らない者は極端に冷遇された。
持ち帰ったアイテムは自国が高額で買い取ってくれるためこれを機に仕事を辞め探索者になる者も続出した。
高ランクのダンジョンほどレアアイテムが手に入る。
だが同時に高ランクのダンジョン内には手強い魔物がわんさといる。
なのでそういった魔物を倒すことの出来るレベルの高い探索者は国にとって最も必要な存在となっていた。
前述したとおり今、人間の価値はレベルというものに一本化されつつある。
そしてダンジョンが現れてから八か月経った現在、探索者は畏怖と畏敬の念を込めてこう呼ばれている。
プレイヤー、と。
『ダンジョン・ニート・ダンジョン ~ダンジョン攻略でお金が稼げるようになったニートは有り余る時間でダンジョンに潜る~』
という30万文字越えの小説もあります。
バカな駄目ニートが恋にダンジョンに奮闘する成長譚です。
よかったらご覧になってください。