□接触
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□接触
諸悪の根元の痕跡を発見。糸を手繰ると、ついにそれは姿を見せた。
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手順2の落石トラップ。設置完了だ。魔力は一切使わない。魔獣は魔攻力と精神力がずば抜けているのだ。魔法に強く、魔法が強力。
それ故の物理攻撃。重力を利用した最強の連続攻撃いわなだれ。ベヒーモスはパワーもあるが、敏捷性は皆無。誘導さえうまく行けば生き埋めにしてやれる。
手順1。邪魔が多い。多いのはゴブリンの乱入。奴等は匂い草の臭い方だろうが、飢えてりゃ食う。うん、辛いけど美味いからな。だが邪魔だ。青マルは雷の槍でえいえいと倒したり、幻惑の霧で同士討ちをさせた。もはや、ゴブリン一匹を三匹のスライムで囲う必要もない。スキルの恩恵は素晴らしいものだ。
そうだ、全てのはじまりは【反骨心】の獲得にあった。あれから、心がわりが何度かあった気がする。さっきまで右へ行こうとしていたのに、気付けば左に行っていたり。諦める意思が挑戦の意思に置き換わっていたり。スキルのせいと思っていたが、それはノワールとやらの言っていた【天界のクソども】とやらに何かを邪魔され、操られていたのだろう。
何処かまでがスキル単体の効果で、何処からかは何者かの意思なんだ。その辺はいずれ見極めが必要だろう。恩恵は素晴らしいが、どうも全てが自分の力とは思えない。いざという時、本当に倒したい相手こそがスキルの生みの親だったら、どうだ?絶対不発になるだろう。そしたらスキル一辺倒でやってた場合に勝てなくなる。
ま、スライムが気にする事ではないが。神にでも挑むつもりかって。
そうこうしてる内に、設置が終わったようだ。ベヒーモスはいない。エルフは死亡なし。負傷十六名、重症者なし。よし。
あー……美しき者どもに慈悲の輝きをー。
むううん。ありがたやー、ありがたやー。
activeスキル発動:森ノ神徒の祈り[rank.C]
エルフ族専用の回復魔法。回復量は精神力依存。
ぽわわー
青マルこと我らがスライムから、ぶわりと光が流れ出し、エルフ達に降り注いだ。エルフ達の傷が急速に塞がって行く。全員、ほぼ完治したようだ。
よし。いよいよ作戦フェイズ決行へ……
といった所で、現れたのは赤いスケイルメイルの戦士だった。最悪のタイミングだ。この野郎。