表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/11

□特異なる反骨心の目覚め

ーー


□特異なる反骨心の目覚め

やはり負けた。しかしとどめの瞬間、戦いに乱入した存在があった。別にスライムの味方ではない。ただの蹂躙者だ。瀕死のスライムは放置され、冒険者は敗走した。


ーー


いやはや、しかし最後に聞こえたあの鳴き声。あれはレッドワイバーン達の親玉の怒りの咆哮で間違いない。あれだけは、俺達魔物でも怒らせちゃいけないんだぜ。人間ごときじゃ勝てない。最強種であるドラゴン種の域にまで進化を果たしたクイーンワイバーンのリセル様だ。


ネームドモンスターは特に強いんだぞ。あの人間ども、終わったぜ。魔剣を持っていたのが気掛かりではあるが、あの激昂したリセル様の火炎は凄まじい。星空の広がる黒い大天幕すら焼き尽くすんだ。負ける姿なんて想像もつかないな。へへ、ざまあみろ。あいつらは死ぬんだ。俺の仲間達みたいに、あいつらが雷で撃ち殺しまくったワイバーン達みたいにだ。次はあいつらがそうなるんだ。ざまあみろ。どちくしょう。


リセル様は別に、スライムの味方ではない。ただの蹂躙者だ。しかしその横やりのおかげで、俺だけは助かったのだ。瀕死のスライムは放置され、冒険者は敗走した。

もう二度とこんな想いはすまいと、スライムは反骨心を得た。


passiveスキル獲得:反骨心[rank.B-]

精神力のパラメータを大きく底上げし、敗北者や屈辱への抵抗意思を増大する。


activeスキル獲得:斬擊見切り[rank.D]

スキルによる尋常ならざる斬擊を見切り、回避を補助する能力。


ん?天の声が聞こえた。なるほど。これが、リセル様が以前めちゃくちゃ自慢してきた奴か。うん。力が湧いてくる。人間はこんな力を幾つも持っているそうだ。rankは、DとEは弱っちい奴。CとBが少し強い奴。AとかSが超強い奴。だったかな。


さあ、まずは体を直そう。なるべく魔力のある草を食べる。「毒草」すらも俺達スライムは酸を作るのに栄養とする。苦い。不味い。食べ過ぎると緑色の稀少なスライムになってしまい、人間に追い回されるから、そうならない程度にバランスを考える。「薬草」も食べる。回復には有用だが無味。不味い。危険な人間が良く取りに来る為、群青地帯は人間と鉢合わせるから、見かけても長いしない事。「匂い草」臭いのは辛い。良い香りのものは甘い。どっちも魔力が豊富で、すごく美味しい。人間は臭い方は滅多に取りに来ないから、臭くて辛い方を狙って食べる。食べたら美味しいのにバカだね。


「花類」白の花はほとんどが猛毒。魔力がいっぱい。群青地帯には魔法を使う類いの強い人間が取りに来るから、そいつらにだけ気をつける事。黄色の花はめっちゃくちゃ甘くて美味しい。魔力もいっぱい。だけど食べるならハニービーとその親玉にだけは絶対ばれないように上手く隠れる事。こちらの群れが壊滅するまで戦争になっちゃう。紫色の花はすっぱくて、美味しくないし不味くもない。魔力がかなり少ないし、人間も多分ほとんど取りに来ない。でも見た目は一番綺麗かもね。


ふーむ。よし。紫色の花をいっぱい食べるとしよう。少ないとはいえ、魔力は一応あるにはあるんだ。何より安全。群青地帯も沢山知ってる。あんまり美味しくないけど、背に腹は変えられないや。頑張って食べよう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ