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戦いは終わらない

「倒したのか? 終わったのか? 」

クボタとリッチの戦いを見守っていた人々は目の前で起こった結末を信じることができなかった。今まで散々苦しめられていた敵の首領は跡形もなく消え去った。

「終わったな。これでここでの戦いがすべて……」

レジスタンスのリーダーは今までの出来事を噛み締めながらそう呟いた。

「ありがとう。名も知らぬ戦士よ、そして……」

ピクリとも動かず倒れているクボタに最大限の賛辞を贈るべく左胸に手を添え頭を下げる。

「まだよ! まだ終わってない」

半ば半狂乱になりそうな勢いでクボタに駆け寄る聖女。

「この子はまだ戦っているのよ。いまならまだ間に合う」

「止めなさい。何を言っているのかわかっているのか」

何かをしようとしている聖女を止める大賢者。何が起こっているのかわからずにポカンとする生き残ったその他の人々。何が起こっているのか理解すべくレジスタンスのリーダーはおそるおそる近づいていく。

「お取り込み中失礼、ここのレジスタンスのリーダー、カネダと申します。詳細な説明を求めます」

「おお、オヌシがリーダーか? 今オヌシは目の前にいるこやつが死んだと思っているのだろう。それは半分正解で半分は間違い。あやつは深層心理のなかでまだ戦い続けておる。そこの聖女はそこに参戦しようとしておるのじゃ。他人の深層心理に入り込むことがどれだけ危険かわかったうえでな」

「そんなことができるのですか?」

「傷ついた心を癒すのが聖女の使命、それゆえに心にこびりついた闇を落とすことも可能じゃ。だが今回に限っていえばその闇が危険すぎる。下手すれば命を落とすこともあり得る。だから行くなと止めておる。あやつなら自分でけりをつけれるはずじゃ」

「できるわけない。この子はすべて自分が悪いと思っているから……。全てを受け入れ取り込まれてしまう。そうなれば……」

「そうなれば?」

「この子自身が人類にとって最強の敵になる。魔王ですら瞬殺してしまうほどに」

「それほど危険なのですか?」

カネダは驚愕した。自分たちを救ってくれた救世主とも言える存在、それが最大級の驚異に変貌しかねないことに。

「それを止めれるのは私だけ。だから行ってくる」

固い決意を固めた聖女にそうさせないように懇願するようにカネダは聖女を見つめる。

「申し訳ないがわたしには彼がそうならないようにお願いするしか方法が無さそうです」

そううなだれるカネダを見て大賢者は聖女に語りかける

「わかった、行ってこい。必ず救いだしてこい。失敗は許さん」

聖女は黙って頷く。そしてそのままクボタに覆い被さるように倒れてこむ。

「これは一体?」

「潜っていったんじゃよ。もうワシらにできることはない」

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