決戦
「じっくり説明している余裕がないの。いちばん頼りになるあなたがこんな状態でどうするのかみんな必死に考えているの。でも結局あなたに頼るしかなさそう。だからお願い」
「だから説明してくれと言っている。どういうことなんだ」
「さっきのやつは単なる使い。これからが本番なのにエレノアちゃんが全勢力を使いきるから。あなたの事も考えずにね」
「あれは前座なのか? これからが本命の登場になるのか。やすんでいるばあいじゃないな、直せるのか?」
「今やっているから。かなり時間がかかるのよ」
「あの二人間に合わないな。ワシらだけでどうにかするしかないな。他の連中はどうしている?」
必死にクボタを治療する聖女に焦る気持ちをぶつけるクボタ、そんな二人を見つめため息をつく大賢者。思わず妖精に呟く
「ごめん、僕は戦力になりそうもない」
妖精はそう答える。それを聞いてなおさら大賢者はもはやこれまでかとあきらめの気持ちを表に出す。
「大賢者ともあろうものがあきらめるのか? 俺らは頼りにならないのか?」
あきらめの境地を明らかにすることを隠さない大賢者にもの申すのは最終決戦に悲壮な決意をしたものの対戦相手が現れないことに不信感を抱いてここまでやって来たレジスタンスのリーダーとそれを見届けようとしていた幹部たち。
「オヌシたちは只の人間じゃろう。それでやつに勝てるとは思えんが?」
「それでもやるしかない。この先に進むためには逃げてられない。この命尽きようともあとに続くものがいる限り俺の死は無駄にはならない」
「最初から死ぬつもりか? それじゃダメじゃ。なんとしても生きようという気持ちがなければ生き残れん」
大賢者はさっきまで敗けを覚悟していたことを棚にあげてリーダーたちを説教する。
「あんただって……」
「やかましい、生きなきゃならん理由ができた。やるぞ、なんとしても生きるんじゃ」
「そうだな、生きてこそ先が見える」
「盛り上がっているところ悪いんだが戦う相手はどこにいる。このヤバそうな雰囲気からしてかなりヤバイやつだというのはわかるが姿が見えん」
「おお、オヌシたちがいた。やってくれるか」
「当然だ。それが俺たちの役目だ」
力強く宣言したのはレジスタンスを手助けした『白服』たち、ラスボスとの戦いに気合いが入る。
「話し合いは終わったのかね、さんざん待ったんだ。少しは私を楽しませてくれないとね」
余裕の表情を浮かべながらラスボスが現れる。
「あれがそうか」
「ずいぶんと余裕だな」
「そんなに強そうには見えない」
それぞれ第一印象を述べるが大賢者は硬い表情を浮かべながら語りかける。
「待っててくれるのならもう少し待ってほしかったのじゃが」
「そうしたかったが待つのもしんどい。さっさと我が眷属になるがいい。強いやつは大歓迎だ」
「眷属って?」
ラスボスの言葉にクボタは疑問を抱く
「あいつはリッチ。死霊使いの最高峰に位置するやつよ」
聖女の答えを聞いたクボタ、頭のなかで「say you say me」 が流れていた




