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作戦開始

「禁呪って、そんな大げさな。ただ動けなくするだけなのに」

「その、動けなくするのが問題なのじゃ。それだけですまないであろう。人間というのは余計なことをしたがるものだからじゃのう」

「確かに。ただ眠らせるだけではないからな。その余計なことをするために眠らせるのだから」

「じゃな、だからこそ禁呪なのじゃ」

「しかしだ、そのおかげで誰も傷つかないとしたら」

「言いたいことは分かった。しかしそれはオヌシの勝手な考えにすぎん。やられる側にも言い分がある。不利益を被ることになる。自らの責務とは関係なくな」

「それでもだ。これは戦いだ。相手の不利益など考えていられん。こんなことはさっさと終わらせないと。そのために必要なんだ、傷つく奴らをできるだけ少なくするために」

「なるほど。それは正論かもしれん。だがそれでもルールは変えられん。違う方法を考えろ」

「わかった。なら、あんたを殺す。戦いを終わらせるための最低限の犠牲になれ」

「できるかな。オヌシごときに倒されるワシではないわ」

「ちょっと! 何やっているのよ。やめなさい」

「おい、やめろ」

慌てて周りが止めにはいる。

「冷静になれ。何を焦っている」

「これがうまくいけばすべてが終わる。楽になれるんだ」

「言ったよな、一人でなにも抱えるなと。それになにも終わりはしない。ここで人質を救出したところで終わらんよ。むしろやっと同じ条件になったに過ぎん」

カネダにそう言われてクボタは冷静さを取り戻す。

「すまない婆さん。が、これは譲れん」

「そうかい。やりたければやればいい。ただ起こったことの責任は自分でとるがいい」

大賢者は諦めたようにそう言い放つ。

「もとよりそのつもりだ。何を今更」

クボタは大賢者に背中をむけて号令を出す。

「さあ、出発だ。日が昇る前に完了させる」

そう呟いて現場に向かう。


「ニール、喚べたら間髪入れずにやってくれ。時間をかけたくない」

「わかった。じゃあ呼ぶよ。キノスケ召喚」

そう言うやいなやニールはすぐに召喚をはじめる。

「こいつがそうか」

「そうだよ、だけど対象を眠らせることしかできないやつだからね。あの人が心配するほどではないはずなんだけど」

この時はまだニールもクボタも軽く考えていた。

「味方にはかからないようにしてくれよ」

「わかっている。離れていてよ」

ニールはキノスケになにかを命じている。やがて魔法が

発動したのか収容所の護衛についていた兵士たちはバタバタと倒れていく。

「かぎを探してくれ。人質を開放する」

救出作戦が始まった

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