作戦会議?
「ニールって?」
「お前だよ。今考えてみた。名前がないと不便だからな」
その瞬間ニールと呼ばれた妖精が光り輝く。
「おっ! なんだ」
「勝手に名付けするから心の準備もなしにパワーアップしちゃったよ。もう勘弁してよ」「
「そんな機能はなかったはずだが……」
「もう、自分の力ぐらい把握しておいてよ。気軽に名付けしちゃうから意図しない進化をするところだったんだから。契約してなくて良かったよ」
「進化したくなかったのか?」
「今の能力が使えなくなる可能性があったからね。今のこの能力結構気に入っているんだよ」
「自分は呼ぶだけで人に戦わすだけの能力がか?」
「そういう言い方はやめてよ。戦ったとしても足手まといになるだけだよ。だったら戦力を呼べるだけでも役に立てるでしょう」
「そういう考え方もできるかな。ただな、それで満足するなよ。妖精がどうなのかわからないが自分自身が強くなれる方法はあるはずだ。その一つが進化ってことじゃないのか」
「それじゃあ契約してくれるの?」
「お前が望むのならな。なにかデメリットがあるのか?」
「人一人が契約できる妖精は一生に一体だけだよ。それに一生行動を共にする。妖精は人から魔力を供給してもらい、妖精は人の能力を限界まで引き上げる。名付けの能力を持つ人はさらなる高みに到達できる。お互いいい事ずくめだよ」
「だったらさっきはなんで嫌がった?」
「契約する前に名付けしたら暴走して誰も制御できなくなる。そしたら駆除対象になっちゃう。契約するのはお互いに互いの能力を制御しあうって意味合いもあるんだ」
それなら契約なしでも大丈夫そうだな。暴走してないし。それにパワーしてから契約しても遅いんじゃ。そもそも何も変わらっていなんじゃ……」
「変わっているわよ。暴走するほどじゃないけど」
二人の会話に割って入ってきたエレノワ
「もともとの能力がそんなに高くないからパワーアップしたところで大したことないのよ。せいぜいよべる対象が増えただけ、あんたが思うほど強くなったわけじゃないのよ」
「それだったら良かった、と言うべきなのかな。願った方向にいけたから」
「そうかもね」
なんだか複雑な表情を浮かべるニールだった。
「それでだ。話を戻すぞ。より強いやつを呼べるのならまほうを使えるやつを呼んでくれ。できれば思いっきり麻痺させるやつとか眠らせるやつとか。そういうの使えるやつを」
「ならんぞ、そんな魔法使わせるわけにはいかん」
どこかで話を聞いていたのか大賢者が怒鳴りこんでくる。
「だめなのか?」
「当たり前じゃ。それらは禁呪じゃ。使わせるわけにはいかん」