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教会にて②

「エリンが王女だって」

クボタは驚いてエリンを見る。

「そういうことなの。だから事情は話せなかった」

「内乱があったことはご存知でしょう。エリン王女だけは逃げることができたのですが本当の父親であるハワード王は幽閉されているはずです」

聖女はさらに続ける。

「そこであなたの出番となります。あなたに与えられた使命は3つ、ひとつはこのエリン王女を守り抜くこと、ひとつは内乱の首謀者であるジェイル公爵を殺し内乱を鎮めること、そして、王を救いだし政権を取り戻させること」

聖女はここまで話すと一息ついた。そしてさらに

「殺人の経験者であるあなたならためらいなくできるでしよう?いまさらいやとは言わせませんよ」

「殺人の罪を償うのに人を殺せとは。戦争を終わらせるために戦争を仕掛けるソレスタムビーイングのようなものじゃねえか。矛盾してないか」

「ちょっと待って、話の意味が見えないですけど。ヤストって傭兵の経験があるの」

エリンが割って入ってくる。

「俺がやったことは単なる殺人だ。情状酌量の余地ありということで事故で済まされたけど」

「それが話せない事情」

「まあ他にもあるけどな」とクボタは呟いた。

「話を続けます。ジェイル公爵は外道中の外道、殺されて当然のことをやってきてます。改心の余地はないと考えます」

「とても聖女の言葉とは思えないが」

「これ以上犠牲者をださないためにも、エリン王女のような子を出したくないのです」

「母は私を庇って目の前で殺されました。フェンリル達に助けられてさ迷っているところ、あなたに出会ったのです。ぜひとも仇をとってください」

「これが俺の生きる道かもしれん。やらないで後悔するよりやって後悔する方がましかもしれん。わかった、引き受けよう」

「さて、話がついたところで始めるとしよう」

大賢者が言う。

「始めるって」

「今のお前さんはまだ能力の半分も目覚めておらん。それを完全に目覚めさせるのじゃよ」

「フォースを覚醒させるのですね」

「違うわボケ」

聖女のボケに高速のツッコミを入れる大賢者。

「聖女がこんな思考を持ったかわいそうな女だと知られれば聖女の概念が変わってしまう」

大賢者はそう嘆くがなぜフォースという言葉に過敏に反応するかは謎である


大賢者はクボタの手をとり自分の胸に当てる。

「婆さん、積極的過ぎるぞ、確かに年上の女性は魅力的だが年が離れすぎている」

クボタは慌てる

「何を勘違いしておるのじゃ、これだから男ってやつは。何を欲情しておるのじゃ」

「クボタさん、熟女好きだったんだ」

聖女とエリンが蔑んだ目でクボタを見る。

「違う、断じて違う」

クボタは必死に否定するがあらぬ疑いは晴れぬままだった。



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