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合流③

「高度はそのままで。適当なところで降りるからその速度を保ってくれ」

「了解した。降ろしたら後はそのまま合流地点に向かう。そちらにお任せする」

ワイバーンを操る操縦士を統括する編隊長は同乗者に言われそれを了承する。

「聞こえたな。そちらと同時に降ろす。準備しておけ」

「了解」

編隊長は僚機に告げる。

編隊を組む二頭の前方で爆発音とともに火柱があがる。

「報告、敵本陣に最後の爆弾を投下、指揮官及び敵陣幹部の死亡を確認」

「了解、予定通りに全機合流地点にむかえ。我々も最後の任務完了後に向かう」

部下の報告を受け編隊長は問う。

「敵はほぼ壊滅した。計画を変更したほうが」

「いや、変更はない。むしろ指揮官を失った部隊は暴走する可能性がある。予定通り掃討作戦を展開する」

「わかった。現場の判断を優先する」

「もうそろそろ降りる。世話になった」

そう言うと同乗者は部下に指示を出す。

「貴様ら、降りるぞ。心配はいらん。訓練通りやれば問題ない。着地したら直ちに部隊ごとにそれぞれの役目を果たせ。降下!!」

「お世話になりました」

「ありがとうございました」

「行ってきます」

それぞれ言葉を残し部下たちは降下していく。

「では行ってくる」

「ご武運を」

編隊長と言葉を交わし同乗者は最期に部下たちが咲かした落下傘の花のなかへと降下していった。


無事に着地した空挺団のメンバーたちは飛び去っていくワイバーンたちを敬礼で見送った。


「確認だ。お前たち、お前たちの任務はなんだ」

「残存する敵対勢力を掃討することです」

「正解だ。ただ付け加えておく。掃討とは殲滅することではない。あくまで排除だ。生き死にはこだわるな。それと味方や一般人の救出、避難誘導を忘れるな。生存者の安全確保を第一に考えろ」

団長の指示に従い彼らは迅速に行動を開始した。

「要救助者を発見。これより救出活動を開始します」

「敵の存在を確認。排除します」

それぞれがそれぞれの任務を果たす。これが初陣だとは思えないきびきびした動きに団長も満足していた。だが

「くそ、やられた。衛生兵はいるか」

「こっちを優先してくれ、こっちのほうがひどい」

やはり油断は禁物である。ここは戦場、気を抜けばすぐにやられる。

「大丈夫、これぐらいならすぐ治る」

要救助者のなかに治癒師がいたようですぐに治療に入る。

「済まない。助けに来てこのざまなんて」

「いや、感謝してます。まさか空から来るとは思いませんでしたけど」

治癒師の言ったとおり傷はすぐに癒えた。すぐに現場復帰し、再び戦場へと向かう。

「本当ならもっと休んでほしいんだけど…」

そう思う治癒師だが同時にこの戦いはもう終わる。戦後処理のためには彼らの力が必要だ。さて、どう話をつけるかなどと考えていた。



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