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剣と魔法とオームの法則  作者: なまぐさぼーず
第七章 そしてたどり着いた。
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奪還キックオフミーティング

仕方がないので俺の奴隷となったロロを連れて帰った時のみんなの反応


「ユリスを探しに行くと言っていたのに、別の奴隷をつれてくるなんて……見損ないましたわっ!」


「サイテー……」


「師匠……それはユリスがかわいそうですよ……。」


違う!違うんだ!!


というわけでみんなの説明に1時間。

そして説明の終わりに


「さぁ、この後私にひどいことをするんだろう!!エロ草子みたいにっエロ草子みたいにっ!!」


とさらに余計な事をロロが言い、誤解を解くのに追加で2時間かかった。


……疲れた。


ちなみにロロも犯罪奴隷なので奴隷解放はできない。

奴隷契約の解除はできるが、その場合ロロが主人なし奴隷になって危険だ。

(まぁ、こいつなら平気だと思うが。)

契約状態のまま解放してやるとも言ったのだが、従属奴隷の首輪を下げたまま、盗賊の頭になれるわけないだろとキレられた。まぁ、言いたいことは分かるがキレなくったっていいと思う……。


--------------------------------------------------

「で?」


夕飯を食べながらロロが冷たく言い放つ。


「で……と、言われましても……。」


「はっきりしてよ。あたしはこの首輪のせいであんたに逆らえないんだ。なにをやらせたいのかさっさとと言えっ」


「はい……。」


……なんだか、どっちが主人なんだかわからないな……。


ふぅ……。


俺は一息はいてから話し出した。


「ユリスを探すのを手伝ってほしい。」


「ユリス……って、お前の所の奴隷だよな?」


「そうだ。おそらくは……いや、確実にユリスはロットンと一緒にいる。助ける為には戦える仲間が必要なんだ。頼む…手伝ってくれないか?」


「頼むって……命令すりゃいいじゃないか。」


たしかに、命令をすればロロは言う事を聞かないわけにはいかない。命令に反すれば首に巻かれた隷属の首輪がロロの首を絞めつけるからだ。


「まぁな。だが、一応ロロの意思を聞きたいんだ。」


「意思ねぇ……。ま、いいさ。どっちにしたってあいつは私の獲物だ。いいよ、やってやろうじゃないか。でも。ロットンの倒した後はどうなるんだい?私は奴隷商人に売り払われるのか?」


「いや……、そうだな……」


……そういや考えてなかったな。

てか、もともと奴隷にするつもりなんてなかったし。


奴隷商人に売る?

なんか手伝ってもらっておいてそれも……なぁ。

ちなみに、ロロの刑期は5年だ。


「まぁ、刑期が終わるまでは店を手伝ってもらおうか。店の売り子をしてくれ」


「……え? 私が? 売り子?」


「ああ、仕事はそこのジーナが教えてくれる。」


「まかせてください!なんでも教えてあげるわよ」


ジーナが胸を張る。

あ、これ初めて後輩がついた若手の顔だ。


「いや、私生まれてこのかたそんな事したことないぞ?」


「大丈夫だろ。ロロはきれいなんだし、客受けはいいと思うぞ。なぁ?」


ユーリッドに同意を求めるとユーリッドがすっと目をそらす。


……ん?


「えぇ、そうですねぇ。ちゃんとお化粧をすればまぁまぁかわいいと思いますよ?」


と、リジット。


「十分いけますよぉ。店番としては」


とジーナ。

ん?なんだこの空気?


「い、いやだよ化粧なんて……したことないし。」


「「え!?」」


ジーナとリジットが固まる。


「ちょ、ちょっとそれすっぴんなの!?」


とリジットがロロに詰め寄る。


「な、なんだよ。あたしは化粧なんてしえないよ。そんな余裕ないし……」


「そ、それでこの肌ってこと……?もちもちスベスベなんですけど……。」


そう言いながらジーナがロロの頬っぺたを触る。


「さ、触るなよ。」


「そんな粗悪な環境にいながら……アイアンスキンですか……。」


どうやら、ロロの肌が女性陣から見ると相当なものらしい。

言われてみればきれいな肌をしているかもしれないが……。


と、見ている間にリジットとジーナが日ごろの生活や食事に言及しだした。

イカン、本題からずれてしまっている。


「ストーップ。その話はあとでしてくれ。とりあえず今後のことだ。」


「「……はぁい」」


リジットとジーナが名残惜しそうに引き下がる。

ロロはなんか引きつってる。


「で、早速だが明日からは旅の準備だ。出発は3日後にする。ロロも旅に必要なものがあれば言ってくれ。」


「ん?私はいいよ。別に現地でどうとでもなる。」


「念のためにいうが、追剥はダメだぞ?」


「……じゃぁ、水と食料は欲しい。」


残念そうにロロが言う。

…てか、本当にやるつもりだったのか。冗談ではない、これでまた衛兵につかまろうものなら、ユリスを探すどころではなくなってしまう。道中ロロの動向には要注意だな……。


「んで、ユーリッドとジーナは引き続き店を頼む。


「わかりました。」


「ししょーも早くユリスを見つけてきてねっ!」


「ああ、分かってる。リジットは悪いけど今回もついてきてくれるか?」


「もちろんです。むしろ、駄目だといわれてもついていきます。」


そう言って笑ってくれるリジット。

でも、ユリスがさらわれたとき、俺以上に落ち込んでいたかもしれないのがリジットだ。

目の前でユリスをさらわれ、何もできなかったことが悔しくてたまらないのだ。


……今度こそ。あいつを守らなくちゃいけないな。


「で、今夜は私はエロ草子みたいになるのか?」


「ならないって言ってるだろ!」


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