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剣と魔法とオームの法則  作者: なまぐさぼーず
第ニ章 奴隷を手に入れた!
16/66

オームの法則を導く為に

金貨193枚 銀貨2枚 銅貨2枚



事件から半月が経過した。

結局捉えたのはあの大男1人だった。最近、おれに食らったダメージもようやく回復し、今後の取り調べが本格化するようだ。多少は情報が得られればよいが、これは組織的な犯罪だ。実行犯の下っ端からは中々根元まではたどり着けないかもしれないと思う。


あれから俺は暇があればユリスに魔法を教えてみようと考えた。もちろん、この世界の住人である彼女は、俺のように魔素の動かし方から教える必要はない。ここはオームの法則から…と、思っていたのだが、彼女は別の方面の基本を学ぶ必要があった。それは算数だ。奴隷として生きてきた彼女はまともな教育はうけていない。だから基本的な四則演算も知らなかったのだ。

先は長そうだと思いながら、取り敢えず加減算を教えたが、彼女は俺の予想以上に教えたことは直ぐに飲み込んでいく。昨日も肉屋が釣りを誤魔化そうとしていたのを、計算を使って見つけたと言っていた。しかも、足し算引き算は6桁でも暗算可能のようだ。やればもっといけるかもしれないとの事だったが、俺のほうが計算が間に合わないので試していない。教える側にも面子、というものがあるのだ。掛け算割り算はこれからだが、はたしてどれだけの速さで吸収していくのか、そら恐ろしくもあるが、楽しみでもある。


------

あの事件からご主人様からは新しい知識を事あるごとに教えてもらえる。

足し算、引き算、このあいだは掛け算を教わった。

ご主人様から教わる事は本当に衝撃だった。

一つの事を教わるごとに世界が広がっていくのを感じる。

今まで、ただわけも分からず私を苦しめるだけだったこの世界が、急に私の前に理解しうるものとして再構築されていくのだ。一つの例で言えばお金のことだ。今までなら言われた金額を払うだけだったのが、今ならば自分でそれがいくらなのかを知る事ができる。そして、それだけじゃない。数字はもっといろんな事を私に伝えてくれるのだという予感がするのだ。知りたい…もっと知りたい。私は生まれて初めて世界を少し好きになれそうだった。

でも…と、同時におもう。

ご主人様に拾ってもらい、

食事や服を与えられ、

そしてこの間は奴隷と攫いから救われた。

その上でこの知識まで与えられた私は、ご主人様に何を返せばいいのだろう。

私に一体なにが返せるのだろうか…。

…せめて、精一杯ご主人様に仕えようと思う。

ご主人様の奴隷として恥ずかしくないようにしたい。

今まで、私は幾人ものご主人様…いや…所有者の間を転々としてきた。でも、自分から仕えたいと思ったのは初めてだと思う。そして、そんな風に思えることがまた嬉しかった。


----


正直に言おう。

私は今、心から震えている。

これが、歓喜なのか、それとも恐怖なのか、それすらわからない。

あの新人の商人は、己の奴隷が攫われたと私の元に飛び込んできた。その時、彼が私に話した事の意味を彼自身は理解しているだろうか。彼が作り出したものの意味を…だ。

精霊を介さない、魔法による遠距離通信。

国…政治、軍事に関わる人間ならば、それがどれだけ他国のに対するアドバンテージを生むかわかるはずだ。

発明者のウィル・ハーモニクス。

私はこの通信機の発明を見た時、一瞬軍を動員して彼の身柄を拘束する事を考えた。しかし、私の勘は告げる。

彼はまだまだ技術を隠している。

それこそ、この世界を覆しかねない技術を…だ。

…フフフ…

まったく、これほどの商品は今まで扱った事がありません。

さて、私に扱いきれる品か否か…見極めさせてもらいましょう。

私は…楽しくてしょうがなかった。



剣と魔法とオームの法則


ここまでお読みいただきありがとうございます。


一般的に、何をやっているか分からないと言われる電気の仕事。

雰囲気を、伝えられたらと思い書き出したこのお話ですが、あんまり技術を的な事に言及できませんでした。

いや、書いてるうちにユリスが可愛いくなっちゃって…。

はぁ、はぁ、ペロペロしたいよ…。


…ゴメスッ(何所かから飛んできた300wトランスがめり込む音)


……あ、あれ?


さて、お話はココで一区切りとさせていだだきます。

専門的な言葉をシチュエーションアイテムレベルで配置し、わからなくても読めるように心がけました。もしもヘテロダインだの、バンドパスだのの言葉に興味を持たれたら、ぜひ調べてみて下さい。興味こそ、技術の喜びだと私は思います。


本作は一応連載中とさせていただきますが、この先続くかは、良いプロットが浮かんだら…と、なるかと思います。期待せずにお持ち下さい。


それでは一先ず、ここまでのお目汚し、お粗末様でした。

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