ほのぼのとした
やっと雫たちに戻れました。
第5の街でプレイヤーたちが戦闘を繰り広げているとき雫はというと第4の街の孤児院に訪れていた。
「そうですか。じゃあアンフェの魔法は役に立ってるですか。それならよかったです。」
「はい。本当にありがとうございます。そういえばさっきシズさんがまいていたあれは何ですか?」
「ああ。あれはキノコの胞子です。ほっとくとどんどん増えていっちゃうですから定期的に採取してほしいです。あれは食べるだけで元気になるようになってるですからどんどん食べるです。」
「本当ですか。いつもながら本当にありがとうございます。」
「別にいいです。正直私、キノコ嫌いですし。食用のキノコは用途がないです。あ、あとあそこの柵があるキノコは食べずに取っておいて欲しいです。あれはまあ食べようと思えば食べれるですけど何が起こるか分からないですから正直危ないです。最悪爆発するです。」
「....分かりました。子供たちには絶対に食べないよう伝えておきます。」
そんな雫とシスターのマリアのほのぼのとした会話の横で子供たちはわんこたちと遊んでいた。
「わんわん」
「わんこちゃんもっと早くてもいいよ。」
「うわー。ふかふかで気持ちいいね。」
わんこに乗って孤児院中を走り回る子や、
「スゲー。本当に飛んでるよ。僕初めて空なんて飛んだよ。」
「................」
人型をとるようになって空を飛べるようになった鉄ちゃんによる空中遊泳を楽しむ子や、
「綺麗だね。」
「ねー。アンフェちゃん。次はもっとキラキラしたの見せて。」
「~♪~♪」
アンフェの魔法で幻想的な光景を楽しむ子や、
「うわ。本当に冷たい。これ本物の雪だ。シロ、もっともっと降らせてくれよ。積もらせて雪合戦しようぜ。」
シロの雪で遊ぶ子などさまざまであった。そんな光景を遠目で見ていた雫とマリアのもとにも数人の子供たちがよってきて
「シズお姉ちゃんとマリア先生も一緒に遊ぼうよ。」
「そうですね。遊びましょうか。」
「わかったです。何するですか?」
緊急クエスト中で第5のフィールドでは激闘が続いているとは思えないほど和やかな光景であった。
緊急クエストがクリアされた一報が届くまで雫たちの遊びは続いたがそろそろいい時間帯であったためそろそろ次の街に進むことにした雫は子供たちに別れを告げて第7の街に向かっていた。といってももう1度第7の街には行っているのですぐに着くことが出来た。
第7の街の特徴を一言でいうと人が多いということであった。栄えている様子がひしひしと伝わってくるのだ。
「でも何でこんなに人が多いんです?」
雫は街の入り口近くの売店の店員に話を聞いてみる。すると
「何でって言われてもね。まああれだよこの街は王都に近いからね。そのお陰で物も人も充実しているのかもね。」
「王都です?何ですか?」
「王都は王都だよ。そこにこの国を治める王様が住んでいるのさ。」
「第8の街はないんですか?」
「有るよ。ああ君たちの目的地は第8の街かい。まあそれでも王都には行ってみると良いよ。ここから向かっても王都からでも途中から同じ道だからね。少し遠回りになるけどね。折角だしね。」
ということで次の目的地が決まったのである。
雫たちはすぐに行こうとしたがまだしっかりと第7の街を見て回っていなかったので今日はしっかりと観光をすることにしたのだが、緊急クエストのクリアのアナウンスの少しあとに明日朝から夕方まで大規模なアップデートが行われることが発表されたため王都に行くのは明日の夕方からとなった。
「というか王都ってのが近くにあるのにこの街に存在価値ってあるんですかね。」
二番煎じじみている第7の街を見た雫の感想であった。
翌日の大規模なアップデートによる大まかな変更点はというと、まず第1と第2の街の間の亜人の街や第7の街の王都のようなメインの街ではない場所が増えたことであった。ほぼ一本道であったこのゲームの幅が広くなったのである。
そしてもう1つは「妖精の楽園」のようなどの街からでも行けるフィールドがもう1つ追加されたのであった。その名も「ダンジョン街」そこには難易度が違うダンジョンの入り口が何個もありそこでしか手に入らない素材やアイテムも手にはいるようであった。他にも各フィールドに新しいモンスターが現れたり新しいスキルや魔法が追加されたりと細々とした変更点もあった。
「うーん。なんか色々変わったぽいですね。まあといってもあんまりやること変わんないですしあんまりどうでもいいですけど。まあじゃあ行くです。」
アップデートによる変更点の情報をさっと目を通した雫は王都に向けて出発するのであった。




