表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
86/398

育成の終わり

クエストがクリアされた第4のフィールドを除く全フィールドで各プレイヤーたちがモンスターたちとの戦闘を繰り広げている頃、雫たちはモンスターの異常発生が収まった第4のフィールドでシロの育成を続けていた。といっても雫は新たに入手した素材などを使った錬成やキノコの栽培に夢中であるが。

「えーとまだ試してない組み合わせがあったかなです。」

そんなことを呟きながら雫は自分の世界に入っているのだった。


そういったことが一段落したため雫は、別のフィールドに移動することを考えたが

「いくなら第3のフィールドですけどあそこフィールドの幅が狭いですからモンスターが増えたらと思うとそれだけで面倒です。それにあそこに行く一番の目的の爆弾岩も十分あるです。まあまだこのままでいいです。」

第3のフィールドにプレイヤーが主な狩り場にし始めた頃からオークションに爆弾岩が売られるようになったのだ。しかし爆弾岩は安定性がなく威力も危険なわりに弱い。そして生産者、とくに鍛冶にこの爆弾岩を使用すると金槌で叩いた衝撃で爆発するという代物である。そのためほとんど売れることはない。それでもオークションには、いつも誰かしらが爆弾岩を売っている。それは基本的に売っていれば必ず雫が買うからであった。そのため爆弾岩はほとんど独占市場なのであった。


そういったこともあり雫は他のプレイヤーたちには、恐怖の対象として見られている。それは最強決定戦のトップ2であるわんこと鉄ちゃんをいつも連れているからということもあるが最初のイベントでの爆弾のインバクトは大きいのであった。そのためプレイヤーたちの雫へのイメージはそういった方向になってしまっているのだった。しかし雫とていつも戦闘関連のアイテムを作っているわけではないのだ。

国家錬金術師となった頃から雫は錬成の仕様が徐々に変化したことに気づいていた。錬成術や精製術へとスキルが進化した直後は出来上がる物の質が良くなる程度だったのだが、この頃は、特に変化が実感できていた。それは今まである素材を使って作ったものは1つのアイテムにしかならなかったのに、同じ素材の組み合わせでも作れるアイテムのバリエーションが増えたことや部分的な錬成や精製といった応用的なことなど様々であったが雫はそれを使って色々と作っていたのだ。

戦闘関連のアイテムの試作品も色々と作っているのだが大方の物はボムの火力を越えられずこちらも処分されてしまっている。それらは他のプレイヤーが喉から手が出るほどほしいものも含まれてるのだが雫には不要なものなのであった。

基本的に雫が通常のフィールドで戦闘を行うことはない。相手がボスであったりしない限り雫は素材集めか錬成をしているのが常である。そのため戦闘関連のアイテムの在庫が無くなることもあんまりないためゲームプレイ中、雫はさっきまでと同じように新しい素材の組み合わせ等を考えていることが多いのだ。そしてそれはなにも戦闘関連のアイテムの錬成だけではなかった。これは第6のフィールドでの出来事である。


雫が「雪案内」を首にかけて雪の中でも移動阻害を受けないわんこに乗りながらフィールドを進んでいるときいきなり雫がわんこに声をかけた。

「わんこ。この前考えたというかテレビ見て思ったですけどわんこに乗って移動するよりも犬ぞりに乗って移動する方がかっこいいと思うです。だからさっき作ってみたです。」

それは素人が作ったと思えない完成度のそりであった。

「まあ犬ぞりじゃなくて狼ぞりです。まあ何でもいいです。わんここれ引くです。」

雫の言うことを逆らうことはないためわんこは、指示通りそりを引きながらもモンスターを影を使い倒していったのである。

しかし当然モンスターの攻撃はフィールドで目立ってしょうがない雫のそりに集中しわんこの影によって避けること数回雫が突然。

「わんこ、もういいです。なんか酔ったです。」

といってそりから下りてしまったのであった。その後そりは、無事に処分されることとなる。

こういった思い付きで生み出された物は多いが今日まで現存しているものはほとんどなく大方処分されているのだ。ただ雫の思い付きは馬鹿にできないところがあるため、雫本人もこれをやめるつもりはない。やめたくてもやめられないし…



そんなこともあり雫の生産面での腕はメキメキ上がっており、それに比例するかのごとく雫のこだわりも増してきていてそれは今回のキノコ栽培にも影響を及ぼしていた。

「うーんやっぱり生半可な組み合わせじゃあ普通のキノコしか出来ないです。うーん。」

ほとんど今日一日中キノコのことを考えた雫には存ぜぬことだが地味に緊急クエストのタイムリミットが45時間ほどになっていた。

「わんわん」

するとシロ育成班のわんこと鉄ちゃんがシロと一緒に戻ってきた。シロの育成は順調でもう第4のフィールドのモンスターに遅れをとることはないであろう。

「そうですか。それなら私の方もキノコが出来るまで放置するだけですし少しどっかに行くのもありです。どこ行きたいです?」

「………………」

「あれ?鉄ちゃんが意見を出すのは珍しいですね。第3ですか。あそこはちょっと…まあ折角鉄ちゃんが出してくれた意見ですし行ってみるです。」

雫たちは結局第3のフィールド、鉱山に行くことにしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ