辿り着けない孤児院
図書館を再度攻略した翌日、雫は第6の街に戻るついでに第4の街の孤児院によっていた。雫はクエストを終えた後も何度かここに訪れていた。
「何度も来ていただいて本当にありがとうございます。」
「別にいいです。ついでのことです。それよりも何かこの子供たち元気すぎないです?」
「ふふ。シズさんの持ってきてもらった果実を食べてるうちになんです。みんなすっごく元気になって。この頃病気になる子たちもめっきり減ったんですよ。」
雫たちが採ってくる果実やモンスターの肉等の食べ物のほとんどが危険な地域や凶悪なモンスターから採ってきた者なので、その分リターンも大きいのである。
「まあ元気になるのはいいことです。」
孤児院のお姉さんとしゃべっているとカリンが雫のもとに駆け寄ってきた。
「シズお姉ちゃん、シズお姉ちゃん。いつも食べ物ありがとうね。」
「ああ、カリン。別に気にすんなです。」
「えへへ。そういえばシズお姉ちゃんっていっぱいフィールドに出てるんだよね。」
「そうですね。」
「ならこの話知ってる?」
「どんな話です?」
「えーとね。最近、森のモンスターがとっても強くなっちゃってるんだって。」
「へーです。」
「だからね。この頃、街の皆がひんこん?で困ってるんだって。」
「そうですか。そうなんです?」
雫がお姉さんに尋ねると
「ええ。この頃、食べ物を求めて来る方々が増えてきてますね。でもシズさんのおかげで食べ物には困ってないといってもさすがに街の人たちに分け与えられるほどではありませんから…」
「まあしょうがないです。それよりもモンスターが強くなってるんですか?」
戦闘はわんこたちに任せ、戦ったとしてもボムでドーンの雫にとってモンスターの強弱は些細なものであった。
「定かでない情報ですとモンスターの異常発生で強いモンスターが森の奥から追い出されて、本来いない場所に出現していると言われています。このままだと飢えた住民による暴動もあると言う人もいます。」
「なかなか大変なんですね。うーん、そうだ。アンフェ!あれやるです。」
「~♪~♪♪」
アンフェが了承する。
「えーとシズさん。あれとは?」
「まあ見てるです。」
雫がアンフェに指示したのは「幻惑魔法」であった。
「これはですね、えーと樹妖精って知ってるです?その樹妖精が住んでる「迷いの森」ってとこに掛かってる魔法の改良版の魔法です。この魔法を使えばここに変な人が来ることはないと思うです。」
「~♪~♪」
「あの迷いの森のですか。あの森の民の皆様の近くにある。」
「そうです。だから安心するです。それじゃあです。」
ダメージを与えることが出来ない街中でも効果がある魔法の一つを使った守り。これを突破して孤児院に危害を加えることが出来る者は、ほとんどいないだろう。
第6の街に戻ろうとしていた雫であったが少し気になって、雫たちはドリーのいる「迷いの森」にやって来ていた。
「ってことらしいです。何か知らないです?」
雫が森に住んでいるドリーに雫が聞きたかったことは、モンスターの異常発生であった。
「そうですね。確かに今回の異常発生は、いつもと違いますね。そういえば前にもこんなことがあった気がします。でも昔の話ですよ。あのときは本当に大変でした。助けを求めて人たちが私のところに来ようとして。何人かは私のところに来ちゃって。私、人見知りなのに。」
「それは大変だったです。じゃあもしかしたらそれの再来かもってことですね。」
「かもしれない。」
「ありがとうです。」
「別に大丈夫です。また来てくださいね。アンフェちゃんもね。」
「~♪~♪」
雫はモンスターの異常発生について色々と調べるのであった。




