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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
71/398

決着

わんこは真っ黒な焔を身に纏い、鉄ちゃんに突撃していく。「影纏」は自身のステータスが飛躍的に向上する魔法である。しかしこの魔法にも弱点が存在する。「影纏」はフィールド上にある影を纏わせれば纏わせるほど自身が強化されていく。しかしフィールド上の影が無くなっていくということはわんこの移動スペースが減るということであった。

鉄ちゃんの『鋼龍化』は、小鉄を吸収することでその名の通り身体を鋼鉄にするスキルであった。防御力が格段に上がるだけでなく攻撃力も上がる。

そんな強化された両者が真っ向からぶつかり合ったのである。

しかし体格差もありわんこが吹き飛ばされる。そんな隙を鉄ちゃんが見逃す筈がなく「鉄龍砲」ならぬ「鋼龍砲」を放つ。それがわんこを貫いてしまった。勝負ありと皆が確信するなかそうでない者が2人いた。


「決まったね。」

「いやまだです。まだ終わってねーです。」

1人は雫であった。

「えっまだなの。でもわんこちゃんはフィールドから消えちゃったよ。さすがに……」

「まだです。」


そしてもう1人は鉄ちゃんであった。鉄ちゃんは「鋼龍砲」を放ちわんこを仕留めた瞬間気づいたのだ。少し前にもこんなことがあったことを。あのときはやる側であった。しかし今はやられる側に回ってしまっていた。

「…………」

鉄ちゃんは必死に辺りを見回すがやはり気配は感じられない。すると鉄ちゃんの後ろの方から聞き慣れた鳴き声が聞こえてくる。

「わんわん」

即座に鉄ちゃんが振り向こうとするが遅かった。わんこはもうすでに攻撃の準備を終えていた。

「わんわん」

わんこが放ったのは「黒衣無双」影魔法の奥義であり、「影纏」との会わせ技である。この魔法は「影纏」で纏った影を全て攻撃に用いるという魔法であった。ついに鉄ちゃんの身体をわんこの濃い影が貫いたのだった。わんこも鉄ちゃんも強さ的には大した差はない。やはり戦闘経験の差が出たのかもしれない。


わんこは全ての影を纏っているように見せていたが実際は自分の影だけは残しておいたのである。それを使い「影分身」と「陰隠し」を発動したのだった。

「すっごい戦いだったけどわんこちゃんが勝ったね。」

「そうですね。でも鉄ちゃんも頑張ったです。どっちも後で誉めてあげたいです。でももう2人で戦うのはやめてほしいです。心臓に悪いです。」

戦いが終わったことに安堵する雫であった。


「さすが決勝戦にふさわしい激闘でありました。そして見事、最強決定戦優勝を果たしたのはわんこーー。」

今日一番の拍手がわんこを包み込む。

「それでは表彰式を行いますので本選出場者は全員フィールド上に上がってください。」

イベントは、表彰式に移行していった。




表彰式を終えて雫はやっといつもの通りに戻れたことを嬉しく思っていた。

「なにはともあれイベントも無事終わってよかったです。そういえばわんこたちは今回はどんな報酬を貰ったです?」

わんこたちは、一位と二位である。イベントの報酬も良いものが貰えるはずである。

「わんわん」

「…………」

「まあいいです。それはわんこと鉄ちゃんが頑張って貰った報酬ですからわんこたちで使えばいいです。」

わんこたちもそれを承諾する。

「やっとイベントも終わったですし、そろそろ第6の街にも行ってみたいです。」

イベントも終わり雫たちは第6の街に向かうことに決めた。



イベントの次の日雫たちは第6の街に来ていた。

「やっぱりこの街は真っ白です。ここなら雪合戦とかできるです。後でやるです。」

「くぅん?」

「ああわんこたちは雪合戦とか知らんですか。なら私が教えてあげるです。といっても私が住んでる所って雪降らんですから私も雪遊びは初めてですけど。」

雫は雪にテンションが上がっていた。

「雪が多いってことはもしかして雪兎とかフィールドに出てくるかもです。なんか凄い楽しみです。」

雪のせいでいつもより子供っぽくなっている雫であった。




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