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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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試練の間

「何か楽しそうですねさえ、何かありました?」

「だってもうすぐ夏休みだよ、夏休み。」

「そうですね。まあその前に期末テストですけど。」

「うげ。まあテストはいいよ、それより夏休みならゲームも進められるし、遊び放題だよ。」

「夏休みですか。大した思い出が無いです。」

「そうだなー。それなら海とか行こうよ。」

「いやいいです。今のところほぼ毎日のように海を見てるです。」

「え?どうし…あっもしかして第5の街って海なの。」

「だからいいです。」

「じゃあ私が第5の街に行ったら一緒に海見ようね。約束だよ。」

「はいはい、気が向いたらです。」



雫は街の人から海底トンネルの話を聞いてからはゆっくり街を見て回りながら少しずつ情報を集めていった。

「海王の神殿ですか。で、そこに何があるです?」

「いや別に何があるって程しゃないけど、そんな古い建物ってこの街だとそこくらいだなーと思ったから。」

「わかったです。まあ行ってみるです。」

雫はそこに行くことにした。


「おー。ここが海王の神殿です。確かに古いです。この街は比較的に新しい物が多いですから一段と古く見えるです。」

雫は入ってみることにした。海王の神殿に入ると、そこには一人の女の人が立っていた。

「ようこそ海王の神殿へ。本日はどのようなご用件でしょうか。」

「ここに海底トンネルの入口ってないですか?それを探してるです。」

「そうですか…わかりましたついてきてください。」

女の人はそう言って建物の奥に進んでいく。

「これは当たりですね。運がいいです。」

雫もついていく。


神殿の奥の大きな部屋には大きな鏡が一つあった。雫が部屋のなかに入ったことを確認してから女の人は

「ここは試練の間、あなたが探している海底トンネルは、昔は安全な通り道でしたが今や凶悪なモンスターの巣窟となっております。ですのでここで試練を行い打ち勝ったものだけが先に進めるのです。」

「何か思ってたより大変そうです。それでその試練とやらは何です?」

「あそこにある鏡。あの鏡は、「写し身の鏡」といい、試練の挑戦者と同等の分身を生み出します。さあ自分に打ち勝つのです。」

「挑戦者ってことは私ですか?私だけなら、楽なんですけど。」

淡い希望は叶わない。現れたのは雫、わんこ、アンフェであった。戦闘なので鉄ちゃんを呼び出す。すると相手も鉄ちゃんを呼び出してきた。

「何か面倒になってきたです。どうして私が私と戦わなきゃいけないです。」

すると相手の偽雫も面倒そうにしている。

「ああ、私と同等ってことは考え方も同じってことです。それなら。」

雫は相手に近づいていく。すると偽雫も同じように雫に近づいてくる。

「私が今回負けるとまた同じように戦いに来るです。それは本当に面倒です。」

偽雫はコクと首を縦に振る。

「でもお前が負けたら終わりです。これは分かるです?」

また偽雫は首を振る。

「じゃあ頼むです。」

最後に偽雫は笑みを浮かべた。まるで「わかったです」とでもいっているようであった。その後、偽雫は偽のわんこと鉄ちゃん、アンフェの召喚を解除し、自爆した。

「ふう、終わったです。」

試練の間を雫は持ち前のめんどくさがりで突破したのだった。その光景を見た女の人は唖然としてその後数分間動かなかった。

この試練は現時点で自分と同等の敵を戦闘中に成長することで撃破するというものであった。


この予想外の試練の突破の知らせを見て、運営は修正を余儀なくされることとなる。そのときの修正担当はこう語る。

「この試練の性質上相手の行動パターンをコピーするのは必須であり。あのプレイヤーが試練を突破したのはバグではない。どう修正すればよいのかわからない。」

その後運営側のテストプレイでは問題なく試練が行われたことにより、雫がバグであるという結論になるのだった。




試練の間を突破した雫はやっと動き出した女の人に案内され海底トンネルの入口に来ていた。

「予想外でしたがあなたは試練を突破しましたのでこの通行証をお渡しします。次回からはこれを持っていれば海底トンネルに入ることができます。しかしここは大変危険ですので無理はなさらないようお願いします。」

「わかったです。まあでも今日は遅いからもうログアウトです。」

海底トンネル攻略は明日に持ち越しのようだ。




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