新たな発見
「やっぱりダメ?」
「ダメです。というよりもあれは私も結構使うです。それにそういうことをなし崩しでやると後で問題になるです。」
「そうかなー。」
「それに面倒です。」
「そっちが本音でしょ。しずちゃんも人付き合いはちゃんとしないと。」
「わかってるです。あっでもさえになら何個か上げるのはいいです。」
「本当に!てかそれならフレンド登録してよ。」
「フレンド?大丈夫です私とさえはもう友達です。親友でもいいです。」
「ありがと。でも違うよ。フレンドって言うのは、まあゲーム内で色々と便利になる機能のことだよ。」
「へーそんなのあるです。いいです。じゃあ第3の街に今日行くです。」
「うん、わかった。」
小枝と初めてのフレンド登録を終えボムも数個渡し終えた雫は鉱山を登っていた。いちいち戻るのが面倒なためであった。
「昨日聞いた限りだと今度のイベントなら旗を取った後でわんこが影移動で陣地まで運べば完璧です。まあ参加するためにはクランに入らなくちゃいけないですからパスです。」
やはり雫にとってクランは面倒なのだろう。雫はすっかり慣れた爆弾岩の採取をしながら鉱山を登っていき、山頂までたどり着いた。そこには火竜はおらず三体のゴーレムだけがいた。
「前来たときは、ちゃんと見てなかったですけど、結構爆弾岩が多いです。」
雫が採取に夢中になっているとわんこが吠える
「わんわん」
「何か見つかったです?」
雫が近づくと突然、地面だった場所が開き階段が現れた。
「またこのパターンですか。いいです。いってみるです。」
雫たちは慎重に階段を降りていった。
このフィールドの名前は「火龍の巣穴」であった。雫は
「竜とか龍とかややこしいです」
といいながら進んでいく。このフィールドには外の鉱山フィールドとは違い、ゴーレム以外に今まで出てきたモンスターの火属性バージョン。なかにはマグマを操るモンスターもいた。
「溶岩スライムってなんか面白いです。マグマゴーレムなんかもいるです。」
いまさら敵の強さがちょっと上がったからといって苦戦する雫たちではない、順調にフィールドを下って行った。
ここで採れる素材で「溶岩」をボムと錬成するとマグマボムというアイテムが作れた。このボムは威力は変わらないが、食らった相手に確定で「火傷」状態にするというものだった。
「へーこんなボムもあるですか。色々と種類があって楽しいです。」
雫は楽しそうに進んでいく。
雫の目の前に突然、綺麗な鳥が出現した。モンスター名は「不死鳥」であった。
「不死鳥ですか。なんか強そうです。」
確かに不死鳥はある一点においては最強であった。わんこの影や鉄ちゃんの突進を食らっても不死鳥は何回でも甦った。しかし不死鳥からの攻撃は大したことがなかった。
「なんか倒せそうでないです。どうしようです。あの鳥はスキルで甦ってる気がするです。あっそれならわんこ「影縛り」です。」
「わんわん」
わんこの「影縛り」により不死鳥は一切の行動が取れなくなる。その間に雫は不死鳥を掴みスキルを発動する。
「いくです。『封印』」
しかしなにか変化が起こった様子もない。「影縛り」が解け不死鳥は自由となる。勝ち誇ったような顔をしている不死鳥にわんこの影が突き刺さる。不死鳥は燃え尽き二度と甦ることはなかった。
「スキルも封印できてよかったです。まあでも少ししか封印できないようです。」
それでも不死鳥の倒しかたも分かり雫は先に進む。
不死鳥戦から少し行ったところに少し大きめの部屋があった。雫がその部屋に入ってみると、
「あれ?ここログアウトできるです。」
通常フィールド内ではログアウトは出来ないのだがここではできるのであった。このフィールドはかなり大きいため途中で休憩できるポイントが用意されていたのである。
「ちょうどいいです。今日はこれまでにするです。じゃあバイバイです。」
雫はログアウトした。




