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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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権力者の陰謀(笑)

キールが雫に声をかけたのは理由があった。まあ端的に言うと後継者争いのポイント稼ぎのためであった。この街にはしっかりと森を探索できるものは限られている。そのためせっかく資源が山ほどあるのにそれを活用しきれていないのだ。その為今まで採取出来ないでいた森の奥の素材を入手することができれば、とキールは考えていたのだ。

「よし、俺様の恐ろしさをあの女に知らしめてやる。お前たち、あの者を追え。俺は街の住民に根回しをしてくる。」

キールは動き出した。



そんなことは知らない雫はその後いつも通り森の中を進んでいた。火竜を倒し樹妖精に加護を貰いと色々とあったお陰でわんこたちのと意思疏通が前よりもずっととれるようになっていた。

「わんこ前です。」

「わんわん」

「あっ鉄ちゃんは右です。」

「………」

「アンフェ。」

「~♪~♪」

短い指示でわんこたちは的確に雫の思惑通りに動いてくれていた。加護を持っているのは雫だが、雫が敵に気づけば、わんこたちも大体わかるようになっていた。

「段々わんこたちの考えがわかるようになったです。良いです。いい調子です。」

意気揚々と雫は森を進んでいくと背後から忍び寄ってくる人影。キールの取り巻きたちであった。彼らもこの街の住人、森での戦闘は心得ていた。しかし、

「わんこ後ろです。」

雫には全く通用せず、影に貫かれてしまった。馬鹿な主を持った家来の末路であった。


今まで敵は大体不意打ちによる攻撃だったが、今度の敵はいつもとは違い真っ正面から向かってきた。その敵は、

「白蛇です。かっこいいです。」

蛇ならば毒を警戒するところなのだが、この蛇は毒ではなく霧を使ってきた。

「あれ?真っ白です。なんも見えないです。」

白蛇の水魔法の1つ「霧海」視覚阻害の魔法であった。そして蛇は体温で獲物を刈るため白い霧があっても関係ないのだ。

「くぅん」

流石のわんこも視覚を遮られては正確な敵の位置は把握できない。白蛇はわんこに向かって水魔法「ウォーターブレッド」を放つ。よもや直撃かと思われたそのとき。

「結界です。」

雫が結界を張りわんこを守る。そして

「ていや。」

雫が雷のダガーを投擲し、白蛇に突き刺さる。すると霧が晴れていった。白蛇を見ると「麻痺」状態であった。

「わんことどめです。」

わんこの影によって白蛇は倒された。


白蛇を倒したあと雫は今後の対策を考えていた。

「やっぱり見えなくなるとヤバイです。さっきのは魔法ぽかったですから魔法を打ち消す装備を……」

フィールド内だと考えがまとまらないため、雫は街に戻ることにした。しかし今日の素材集めが不十分だったためその補充もしようと適当な店に入る。

「すいませんです。中級薬草を何本かくれです。」

そう店員に言うと店員は慌てて、

「すいません。今それは売れないんですよ。」

と言ってきた。不思議に思った雫であったがしょうがないと諦め別の店に入るが同じように言われてしまう。何軒入っても同じような対応であった。

「面倒です。やっぱり素材は自分で集めろっていうお達しかもしれないです。まあでも今日はもう疲れたです。そろそろログアウトを…」

と思っていると後ろから、

「おい貴様、俺の力がわかっただろう。理解したならさっきのことは水に流してやるから俺に服従しろ。」

とキールが雫に話しかける。がやはり雫である。気づかない。

「よしログアウトです。」

ログアウトしてしまった。残されたキールは

「なんなんだよあの女はー」

と叫んでいた。

次話でキール君は退場します。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 最後の1行で完全にギャグに切り替わるの本当に面白い (次話でのところ)
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