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非公式神域

久しぶりの更新です。

このところ、忙しすぎてモチベーションがだだ下がってまして…


突如として開催された『神魔大戦の序奏』。そのアナウンスがゲーム中に流れている頃、雫はとても困惑していた。


「お、お願いします。シズ神様!」

「「お願いします!」」

「…その前にお前ら誰です?」


基本的に部外者が立ち入ることの無い孤児院に、見知らぬ者たちがいた。

話を聞くと彼らは小中規模クラン『放浪の民』に属するパーティーであり、『たどり着けない孤児院』とシズ神の噂を聞きやって来たという。どうやって辿り着けたかと言えば、このパーティーの一人が所有するスキル『不迷必到』のお陰なのだそうだ。

『不迷必到』。目的地を定めればそこまでの安全な道標が示されるという迷宮踏破にうってつけのスキルである。その反面、モンスターとの遭遇率もほぼなく、一度その道標から外れたら効果が切れ、再使用まで間が長い等、踏破には向いていても探索には向かないスキルであった。ただそのスキルにより迷いの森を越えてここに辿り着けたようであった。


そんな彼らの目的は勿論、装備品である。


「それでです。私に装備品を造れと言うんです?」

「は、はい」

「面倒です。他に行けです」

「そ、そんな。勿論お礼もしますから!」

「お礼です?」


そう言って彼らが取り出したのは、鉱石系のアイテムや装備品であった。とはいえ出された品々はどれも雫が既知なモノばかりであり、渡されたところで然程嬉しいモノでは無かった。

ただ断ろうとその者たちを見たとき、1つ目に付くモノがあった。


「それなんです?」

「こ、これですか。これは『不迷必到』でモンスターを一匹も倒さず迷宮をクリアした報酬に貰った指輪です。そんなに大した効果はありませんが…」

「面白そうですね。これならお願いを聞くのもやぶさかでもねーです」

「ほ、本当ですか!」

「ただ後で文句言われても面倒ですし、説明だけしとくです」


彼らの願いを了承した雫は、装備を一から造り出せないこと、強化に失敗した装備は最悪の場合消失することなどの錬金術師の性質について説明する。

しかしそんなリスクは覚悟の上だったようだ。彼らはその話を聞き、自分たちが今身に付けている装備、そしてクランメンバーから預かっていた装備を取り出す。


「…え、多いです。ホントにいいです?もう少し減らしてもです」

「大丈夫です。お願いします!」

「…了解です。覚悟しとけです!」


そう言って気合いを入れた雫だが、彼女の見立では成功率は本当に高くない。それなりにレアな装備品を頑張って強化したようで、そういう代物は扱い難い。まあ他人のなので良いかと強化に乗り出そうとした瞬間、雫に変化が生じた。


「むむです? 何か今ならめっちゃ成功しそうな予感するです。よーしやってやるです!」


感覚的に自身の変化を感じ取った雫は、その流れのまま強化を始めるのだった。


――――――――――――――――――――


プレイヤーの投稿サイトにとある記事が投稿された。題名は『非公式神域の報酬』。

そこで紹介された幾つかの装備品のぶっ飛んだ性能は、閲覧者たちの度肝を抜くのであった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 面白かった
[一言] あーあ、猛獣の檻に餌を投げるような真似をwwww
[一言] 完全に神様扱いw
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