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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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鉄竜VS火竜

場面がコロコロ変わって読みにくいかもしれませんが、ご了承ください。

鉄ちゃんは叫び声と共に火竜に向かって突進していく。それを三色のゴーレムが邪魔しようとするがそれはわんこが阻止する。

「よーし私も行くです。」

と雫も火竜にボムを投げつけようとすると、わんこが、

「わんわん」

吠える。最初雫はその意味がわからなかったが直ぐに理解した。

「わかったですわんこ。鉄ちゃんにやらせるです。」

これは鉄ちゃんの戦いだということを悟ったのだ。しかし問題が一つある。それはゴーレムたちでは雫のボムに耐えられないかもしれないということだ。このゲーム内での素材は、倒し方によって素材の価値が変わるというシステムをとっているためこの前のように跡形もなく倒してしまうのは非常にもったいないのだ。

「しょうがないです。頼むですわんこ。私とアンフェでサポートはするです。」

そのためわんこは雫たちを守りながら3体の属性ゴーレム進化版を相手にすることとなった。


一方鉄ちゃんの方は一先ず鉄ちゃん優勢で進んでいた。しかし腐ってもフィールドボス、しかも竜である。このまま終わりはしない。鉄ちゃんが鉄腕を火竜に叩き込もうとすると、火竜はその鉄腕を回避し、生じた隙をつく。火竜の拳に炎が灯りそれを鉄ちゃんに叩き込む。火竜が放ったのはスキル『竜魔法』の「ファイヤーブロー」。竜魔法といっても使う竜によってその種類は様々であり、覚えたばかりの鉄ちゃんでは竜魔法のバリエーションでは圧倒的に劣っていた。

「ギャオーー」

畳み掛けるように火竜の拳が迫る。体格的にも火竜の方が大きいため接近戦は少し分が悪いと感じた鉄ちゃんは距離をとりつつスキル『眷属召喚』を使い小鉄を呼び出す。

鉄ちゃんのレベルが上がったことで呼び出せる小鉄の数も3体に増えていた。

「………」

鉄ちゃんは無言だが、小鉄たちは理解したようで3体とも火竜の周りに散らばる。小鉄の強さは鉄ちゃんによって決まる。そのため鉄ちゃんが「鉄竜砲」を覚えたことで小鉄も遠距離攻撃ができるようになった。正式名称はちゃんとあるのだが雫は「小鉄砲」と呼んでいた。小鉄たちの力もあり戦況は有利に進んでいた。


戦況が一変したのは、火竜が飛び始めてからであった。残念ながら鉄ちゃんは空を飛べないため空から一方的な展開となってしまったのだ。それを見た雫は何かサポートできないかと頭を働かせたが特に何も思い付かない。

雫の武器は、ボム以外には三色のダガーしかないがそれが効くような相手ではない。山頂へ向かっていた道で雫は三色のダガーの強化を試みていたが失敗していた。属性鉄を合成するまではできたのだが、それをダガーと錬成させると、ダガーが持たないようで、今までと違いダガーのみ壊れてしまった。

「うーん、強いですね。私はこの戦いは完全に足手まといです。頑張るです。鉄ちゃん、わんこ。」


わんこが難しいところはどうやって雫たちに攻撃がいかないようにするかであった。倒すだけならそこまで問題はないのだ。

「わんわん」

火の壁「ファイヤーウォール」がわんこに迫るがわんこはその火の壁にできた影を使い、『影移動』でゴーレムの後ろを取り、攻撃を加える。ゴーレムが雫たちに魔法を放とうとしていれば影を使って妨害する。雫たちを守りながら着実にゴーレムたちの体力を削っていっていた。


鉄ちゃんは何とか火竜に食らいついていた。火竜のブレスを避けながら「鉄竜砲」で反撃。これを繰り返していった。厳しい展開であったが勝機はあった。しかしここで不運な事故が起こる。鉄ちゃんの攻撃が火竜の弱点に当たったのだ。普通なら幸運なのだが、相手は竜である。当たった場所は逆鱗、竜の喉元であった。激昂した火竜は凄まじい叫び声をあげる。

「ゴァ゛ガァギャア゛ァオォォー」

そして火竜は思いっきり息を吸い込む。するとわんこが鉄ちゃんに少し焦ったように呼び掛ける。

「ワンワォーン」

その声を聞き、かなり嫌そうな雰囲気を醸し出しながら火竜を睨めつける鉄ちゃんは「鉄竜砲」を放つが時既に遅し。今までにない程の火炎が鉄ちゃんを燃やし尽くした。



「鉄ちゃーん!ヤバイですわんこ。鉄ちゃんが。」

かなり動揺した雫がわんこに話しかける。わんこも余裕がない様子で、雫に返事もできない。

火竜が勝ち誇ったように雫たちを見ていた。相手も結構ボロボロであるのだが。火竜は今度はお前の番だと言わんばかりに息を吸い込む。しかしその時火竜を貫くものがあった。それは倒されたはずの鉄ちゃんの「鉄竜砲」であった。

火竜が振り向き「グギャアー」と何が起こったか理解できぬまま墜落していった。落ちてしまえば火竜に勝ち目はなくあえなく倒されてしまった。

そして火竜が倒されてしまえば早いもので三色ゴーレムも次々に倒していった。これにて第3のフィールドボス戦が終わった。


何故鉄ちゃんが倒されなかったかというと、鉄ちゃんに火炎が降り注ぐ前、わんこは2つの影魔法を行使した。一つは鉄ちゃんの代わりに燃やされた「影分身」そして油断を誘うために鉄ちゃんの姿を隠した「影隠し」。かなりの大規模魔法のためそれを使ったわんこはヘロヘロになってしまったのだが、それでもやっぱわんこは便利である。



雫は鉄ちゃん生還に疑問を持ってはいたが、無事なのは良いことなので、直ぐに気にしなくなった。それから二匹をめいいっぱい誉めた。

「よくやったです。すごいです。さすがです。」

それに嫉妬したのかアンフェが、雫の髪を引っ張ったのでアンフェにはナデナデしてあげる。それから素材を回収し、先に進んだ。次は第4の街である。





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