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屍術師の悲哀 Ⅱ

忙しすぎると書いてる暇がなく、暇すぎてもなぜか書けない。適度に忙しいときが一番書いてる。

 魔国の情報が集まる場所、『地下街』へとやって来た雫。本来ならアイも一緒に連れて行きたかったのだが、アイの攻略地点は『ニルヘイム』付近のため、『地下街』へは来ることは出来なかった。方法が無いことはないが、情報収集をしに行くのに邪法を使うのも効率が悪いので却下した。


 雫がここに訪れるのは『人魔大戦』後に来て以来だが、『地下街』は更なる変貌を遂げていた。賑わいという観点でもそうだが見た目からして変化がある。


「…これはラス。シロとアンフェも居るです。銅像です?」

「すごい♪」

「まあ凄いけどです。…ああ、やっぱりあったです。鉄ちゃんにわんこ」


 わんこたちの銅像が建てられているのだ。しかもそれだけでなく、そこでお祈りをしている魔族もいる。銅像はここの統治を任せているエリンの趣味の可能性があるが、信仰されているのは『魔神』の影響であろう。1つ気になることもあるが。

 そんな事を考えていると、ここの魔族連中の長、ゴルディーがやって来た。


「お久しぶりです姐さん。本日はどのようなご用件で?」

「どうもです。まあ用はあるですけど先にこれはなんです?」

「…ああ、銅像ですか? これは上の方針ですぜ。『魔神』となった姐さんの唯一の領地がここ『地下街』ですから」


 なんだか誇らしそうに話すゴルディー。これまで『地下街』は見下され、運営する彼らは辛酸を嘗め続けてきた。そんな『地下街』が日の目を見ることができて彼ら古参組の感慨もひとしおだろう。

 そのため雫も銅像が置かれていることには異論を唱え無かった。彼女が気になったのは自分の像だけ見当たらないことであった。気になったのだが、


「…姐さんの像ですか。知りたいですか?」

「…いやいいです」


 何かを察したためスルーすることになった。



 そんなやり取りをした後、ここに来た目的である『屍術師』についての話に移る。とは言え雫の予想ではこれから調べて貰う想定であった。いくら『地下街』に情報が集まりやすいと言っても、集めていない情報までは無いだろうと思っていた。そんな雫の予想を『地下街』の情報収集力は上回ってくる。


「魔族でアンデッドが多く見られる地域は6ヶ所。その中で最近被害が増えているのは2ヶ所。それとこの書物の人物の出身地、終の住処とされてる場所を照らし合わせると…」

「ここですね『エレボス』。今は廃都となっており、『死霊術』の祖『冥王』ハーデスが最期まで研究をしていた場所とされています。そのせいなのかアンデッドの産地と化してますが」

「…そういえば何件かハーデスを名乗る人物の目撃情報が増えていましたね。与太話として誰も取り扱っていなかった情報ですが」

「『エレボス』への街道は今は整備されていませんね。行きやすそうなルートをリストアップします」


 どんどん正解っぽい情報かもたらされていく。雫は『地下街』の真の実力に驚きを通り越して引いていた。


「…凄いですね」

「実力の劣った俺たちが『地下街』を維持するための生命線ですからね。それに今はのこのこネットワークで様々な情報を集められますからね」


 最初の印象、ただのチンピラ集団だったのだが、これは良い誤算であった。こうして雫は『屍術師』についての有益な情報を入手するのだった。


【『屍術師の悲哀』の条件が一部達成されました。『エレボス』と『エレボスへの旧街道』が解放されます】

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― 新着の感想 ―
[一言] とりあえず対象はアンデッドなんですよねぇ。 のこ聖樹とか光系は多いから、状況次第では斜め上の攻略ができそうですよね。 『地下街』と『エレボスへの旧街道』が『道』で繋がったりしてたら 雫の…
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