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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第2章 魔国編
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選択ミス

 魔族最強の男との長く苦しい戦いが終わった。そんな激闘を制した雫はと言うと、はっちゃけた『肉体』を造った件でわんこから説教を受けていた。


「わんわん!」

「いや悪かったとは思ってるです。まあでもこれはこれです」

「わふぅ?」

「ごめんなさいです」


 そんな事をしていると倒されたサタンが復活してくる。そしてサタンは、説教を受けている雫の前まで来て、その場で跪いた。いきなりの事でわんこの説教も止まる。

 どうしたんだと思っていたのも束の間、いつの間にか観戦エリアから下りてきていたソドム、ガルジア、カムイもサタンに続き跪く。そんな魔族王たちの不審な行動に、雫は理解が追い付かず、困惑していたのだが、サタンは構わず喋り出す。


「魔族王だった私を倒したシズ殿。私に代わり魔族の王となり私たちを率いてはくれないか?」

「…はぁです?」


 唐突なお願いに困惑がピークに達する雫。


「お前が魔族王ですよね? そもそも私は魔族じゃねーですし」

「魔族王の称号は、敗北と同時に剥奪、勝者に継承される習わし。だから魔族では無くとも継承は可能だ」

「ふーんです」


 それを聞いて雫は安心する。お願いされたということはそれは強制という訳では無いからだ。


「断るです。魔族にそんな思い入れは無いですし。めんどうそうです」

「いや、しかし…」

「さてと、わんこ帰るです」

「…わんわん!」

「待って…ああ」


 雫はここにいたら面倒そうだと思い、サタンの制止を無視して即帰宅を選択する。そのときの雫の心情は説教から逃げれてラッキーであったが、クランホームに戻ってからも説教は続くことをこの時の雫は知らなかった。


【国別クエスト『魔族王の復活』は最終条件が達成されませんでした。このストーリーはこれ以上進行しません】



 取り残されたサタンたちは、少しの間呆然としていたが、暫くして


「さてと、これからどうしょうか?」

「王が『魔族王』を再度襲名なされば宜しいのではないかの?」

「そうだよ」

「…駄目だね。負けちゃったからね。かといって称号を放置する訳にはいかない。暫定的な処置として、次に私に勝った者が『魔族王』ということにしようか」

「強化された王を倒せる者か。いつ現れることかの?」


 サタンの提案にガルジアは苦笑する。先ほどの戦いで肉体の強度は若干落ちたが、元々魔族最強だった男が、さらにスキルやステータスが強化されたのだ。取り敢えず現時点で魔国内にサタンを倒せる猛者は雫たちくらいだろう。


「ソドム。今の話を魔国中に公布しておいてくれ。…あと」

「はい?」

「『魔族王』は空席となったが、新たに『魔神』を設けるからこれからは『魔神』を崇めるようにとね」

「『魔神』というのはその」

「勿論、シズ殿の事だ。まあ名前は広めなくてもいいよ。分かる人には分かるだろうしね」

「…嫌がってましたが?」

「何のことかな? 彼女は我々を率いる王になることを拒否しただけだ。我々が勝手に崇めるだけなら『面倒』ではないだろう?」

「分かりました。公布しておきます」


 こうして『魔族王』不在の一報と一緒に魔国に君臨する神、『魔神』の存在が伝わるのだった。


【条件が達成されました。アフターストーリー『魔族王の後継者』、ユニット『魔王サタン』が解放されます。特殊条件が達成されました。魔国に『魔神』が誕生しました。国力が上昇します。『信仰』が生まれたため関連クエスト及びストーリーが解放されました】


ここまで来たのにストーリークリアならず…


次で魔国編は終わる…はず

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― 新着の感想 ―
[一言] 魔王になってくれないなら魔神として崇めてしまえとか システムが柔軟すぎて草。
[一言] サタンの肉体ってどういう扱いなのか? 今までイベント空間で倒すと、イベント終了後に戦いには参加しないが ステータス等は万全の状態で各道(みち)の王が復活していたイメージに思えたが。 『魔…
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