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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第2章 魔国編
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閑話 戦後の各国

『魔族王狂乱』の魔都崩壊。そして優秀な魔族たちの引き抜き。それにより魔国の国力は大幅に低下してしまった。しかし、それらの影響は魔国所属のプレイヤーにとって何もマイナスのみに働いた訳では無かった。

 優秀な魔族、『魔大陸』で中ボス的な役割をしていた『三将』を始めとする者たちがが居なくなったことで、魔国へ行くための幾つかあるフィールドの難易度も軒並み低下したのだ。これにより前から魔国所属プレイヤーを悩ませていた、そもそも魔国へ行けない問題は緩和された。

 また、『人魔大戦』に勝利したことで人族側の領地が一部魔国のモノになったことも追い風となっていた。


「…それでなんで1週間以上経って復興が進んでないの?」

「上が居なくなって、指示待ちは動けず、それ以外は新しいトップを決めようと争ってるからな。盟主はストーリー攻略に集中してここには来てなし」

「うーん。くらますが攻略してくれれば解決しそうだけど、それまでに私たちで出来ることをするよー。私たち以外にも人増えたしね」


『神の雫』以外のプレイヤーも魔国内でクエストを受けられるようになり、魔都とその近郊の復興は少しずつ進んでいくのであった。


「それでアイさんは?」

「知らない。多分どっかでソロ狩りじゃない?」

「……はぁ」


 ―――――――――――――――――――――――


 戦勝国の魔国が大打撃を受けているのだが、敗戦国である王国、帝国、聖国も勿論、敗戦の影響は存在した。信頼度や友好度とでも呼ぶべき数値が減少し、クエストの報酬の減少やクエストそのものを受けられなくなったり、国の重要拠点などへ入れなくなったプレイヤーが続出した。

 サブストーリーを進めていたプレイヤーの中には、発言力の低下により自身の提案が却下され攻略に失敗した等の報告もあった。


 とは言えそれらのパラメーターは、クエストをまた攻略していけば解決する問題である。それよりも問題なのは『人魔大戦』での大敗。それによる士気の低下である。魔国の主力、四天王やわんこたちと曲がりなりにも戦ったメンバーは兎も角として、ほとんど何もせずにやられた者たちの中には、魔国へ鞍替えしたいと言い出す輩も一定数出てきている。

 今のところ、所属国の変更は不可能となっているし、魔国の国力低下によりその声は鳴りを潜めているが、魔国の状況が改善されればまたその声は大きくなるだろう。要望が増えれば鞍替えも可能となることも十分あり得るだろう。


「するしかないでしょう、次の『人魔大戦』で勝利。」

「だろぉ。アックスの野郎は弱気だがなぁ。次は負けねぞぉ!」

「だねー。そのためにー、ストーリーの攻略とかー、やらなきゃねー」


 ストーリーやクエストを攻略することで、プレイヤーたちの強化、そして国力の強化と一石二鳥となる。だからこそ提案だが、これらの恩恵に与るのは主にトップ層。

 現在、鞍替えしたいと思っている下位層の者たちの思いとは食い違う。特に自クランの利益を優先するきらいがある『モンスターズ』たち3クランと、全体の底上げをと主張する『正義の礫』たち3クランは少しずつ対立していくのだった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 人が増えればトラブルも増えるのが常ですからねぇ 魔国も入国難易度下がったことで大戦時の口だけ連中が流入してくるだろうし、それがどう影響するかですねぇ 人類側は主力クランの対立化が進んでてもっ…
[一言] 『神の雫』が、くらますが居ない状態で生産職ギルドが、 戦闘ギルド間の不和など、いろいろ起きている状態で、 この群雄割拠の静かなクラン戦争とも言うべき環境で、 どのように立ち回るのか楽しみで…
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