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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第2章 魔国編
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浄化の白光

 わんこたちが物凄く頑張っている事をちょくちょく報告されていたが、いつの間にか傍で飛び回っていたアンフェまでもそちらに合流してしまった。そんな中、雫は魔族王とその配下たちとの戦いに備えて頭を悩ませる。

 雫は考えていた。自身の最高傑作が相手であるため真剣に。


「配下無視はナルタルの『霊魂貸与』があったら怖いです。短期決戦が理想ですし先に配下を倒せればです」


 特に四天王級の実力者はスキル構成等が不明である。既知の情報だけでは対策は不十分となる。そのため雫のプランその1は短期決戦。相手に何もさせずに倒すである。

 と言うのも魔族王の肉体には『永遠の聖命』と呼ばれるエリクサーを創成し、血液と一緒に送り出す疑似心臓が取り付けてある。血液により薄まるので、効果も多少弱くなるが上級ポーションを常に飲み続けているボスと言えばその怖さは伝わるだろう。

 そのため回復する間もなく一撃で仕留めるか、『永遠の聖命』を壊さぬ限り倒すのが難しい。長期戦をするのなら早めに壊さなくてはいけない。


「それが無理なら耐えてストック切れです? めんどうそうです」


『完全再現』は長期戦向きのスキルである。更に強化されて再現できる幅が拡がれば余計にだ。

 とすれば長期戦となればスキルを極力使わずに相手の攻撃を堪え忍ばなくてはならない。そうなれば魔族王は『完全再現』と肉体に備わっている機能を駆使してくるだろう。


「…ちょっと調子に乗りすぎたです。戦いが終わったらわんこに説教される予感です」


 不吉な未来を想像しながらも、雫は様々な状況を想定しつつ、それに対応したアイテムを次々と産み出していくのだった。




 その頃わんこたちは、終わりの街『ゴモラ』を探索していた。街の様子はまさに終焉と言った感じである。都市としての機能をまったく果たせていないどころか、生物が住める環境では無い。ただ建物の残骸が微かに残っている場所もあるので、街であったことは事実なのかもしれない。


 探索は困難を極めると思われていた。規模だけは『ニルヘイム』や『ダイダロス』と同じくらいの『ゴモラ』で、歩くのもままならない環境。順調に行っても1週間程度はかかるだろうと。

 しかし進捗は思ったよりも良かった。その功労者は小鉄たち8人組のリーダー、はくたくであった。

 彼女が放つ温かな白光は元々、どっくんの毒やヒー、クー、の熱と冷など、体質に難がある小鉄たちの特性を浄化していた。

 それが幼龍に進化したことで、『ゴモラ』の様々なギミックにも白光が効果を発揮するようになったようであった。


 アンフェと鉄ちゃんがシロを守り、シロが仙術で怪しい場所をピックアップする。そしてそれを伝えられた、わんこがはくたくを咥え探索する。すぐにこの方法が確立されたのだった。


 雫の元にわんこたちから『ゴモラ』の先を見つけたという連絡が入ったのは、『ゴモラ』到着より2日後のことであった。



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