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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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炎のダガー

今日の夜から明日の夕方までアップデートのためゲームのログインが出来ないためかいつも以上にゲーム内は賑わっていた。「メタルラッシュ」による怒濤の武器更新によって数パーティーがグリフォンを討伐したため、第3の街も前よりも人口密度が上がっていた。


そんななか雫はというとゴーレム狩りを鉱山の中腹で行うようになって大分属性ゴーレムが出るようになった。特殊なゴーレムはフレイムゴーレム以外にもサンダーゴーレムとかウォーターゴーレム等、黄色や青色のゴーレムも発見していた。これらからは雷鉄、水鉄がとれた。しかし未だに雫の錬成は成功していなかった。

「うーん、今日もダメだったです。やっぱり『錬成』の進化をさせないと難しそうですね。リクさんの言ってた通りならもう少しのはずなんです。でもあんまり待ってるのも嫌です。どうしようです。」

雫は毎日ゲームをやっているがプレイ時間はそこまでではない。親があまり家に帰ってこない関係で家事は自分でやっているし学校の宿題もあるので結構忙しいのだ。

「明日から新しいのがいっぱい追加されるっぽいのです。それを私もやりたいです。やっぱりこれしかないですかね。」

雫は夏休みの宿題は早めにやるタイプの人間なのだ。そのため新機能追加の前に宿題である錬成を成功させたいのであった。そのための雫の思い付いた方法とは

「リサイクルです。私が作ったものを売ってその金でまた素材を買うを繰り返すです。」

厳密なリサイクルとは違うがまあ微妙に再循環っぽいのである。


雫はどんどんと錬成していった。「メタルラッシュ」から約一週間今度は高品質な商品ラッシュに冒険者は沸いた。雫の商品は飛ぶように売れ、また素材もどんどん買っていった。雫が錬成を始めてもう一時間以上たち強制ログアウトまであと30分を切った頃に漸くそれは至った。スキルの進化である。雫の『錬成』は『錬成術』となっていた。

「はぁはぁ、やっとです。それじゃあ早速やってみるです。『錬成術』」

炎鉄+冒険者のダガー➡炎のダガー

ついに雫は錬成に成功したのだ。そして新ダガーには、こんなことが書いてあった。


炎のダガー 攻撃に火属性を付加 攻撃時に確率で対象を「火傷」状態にする。


とあった。雫は武器の性能よりも苦節一週間、漸く成功した錬成によって嬉しさの絶頂にいた。ひたすら、やったですを繰り返す雫。雫の喜びが収まった頃には強制ログアウトまで残り5分となっていた。雫は少し名残惜しそうにログアウトしていった。



次の日、雫の学校では「VVO」の話題でいっぱいであった。今回の再発売では相当数販売されるため、この学校の生徒たちもかなりの数今日からプレイできるようであった。雫はいつものように読書をしていると横から

「しずちゃん、しずちゃんや今日からついにだよ。」

興奮した様子で雫に話しかける女の子の姿があった。

「ついにですか?今日はさえの誕生日でしたです。」

「違うよ、今日はこの前買えなかったゲームの発売日なんだよ。ほらこの前雫もやってないかって聞かれたあれ。」

「そんなことあったですか。まあ興味ないです。」

「本当にしずちゃんはゲームに興味ないよね。ゲームなんてしたことない?」

「そんなことはないです。この頃はゲーム三昧です。」

「えー嘘だー。何て言うゲームよそれ。どうせトランプとかでしょ。」

「名前ですか?えーと確か「Variety Virtual Online」だったです。まあ違うかもですけど。大体そんな感じです。」

「えっ?マジで。」

小林小枝。雫の一番仲が良い友達である。普通と違う友達に驚かされることが多い。少々可哀想な子である。









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