表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第2章 魔国編
326/398

自重崩壊

「なんだと! どうにかできないのか?」


アックスたちの元に門の異常が知らされたのは、最初にプレーヤーが異音を聞いてから少しした頃であった。勘違いと断じた軋む音はどんどんと大きくなり、門前のプレーヤーたちは続々と気がつき始めた。

心配になったプレーヤーたちは門の耐久値を確認し、全体の2割ほどが消失しており、今尚減少している最中であるという事実に愕然とする。見れば門には茸が無数に生えている。原因はこれだと理解した彼らは総出で茸狩りを行い、門に生えてる茸を採り尽くすことに成功する。しかし耐久値の減少とミシミシと軋む音が止むことは無い。そんな報告を受けたアックス。


「やってくれたな!」

「くぅん?」

「全部お前のご主人様の思惑通りか?」

「わんわん」

「…ならお前だけでもここで倒してみせる」


自分がそこに行っても役に立たないことを悟った彼は、最悪を想定し覚悟を決めるのだった。




帝国拠点の状況を、わんこたちを通して間接的に把握した雫は、自身の作戦が成功したことに安堵する。これが駄目だったらわんこに乗り、移動砲台と化して敵拠点を練り歩く必要がでてきた。


「それはそれで面白そうです。今度があったらそれも良いです」

「シズさん、どうしました?」


練り歩きを想像しなんだか楽しくなってきた雫。結局今回のイベントでは用意した作戦が仇となり、魔国の門の前から一歩も動いていない。


「やっぱり行き当たりばったりがあってるです。作戦を事前に決めるとそれを見届けたくなるですし」

「それでいいんじゃありませんか? 上手く行ってるみたいですし。そういえばシズさんの作戦ってどんなのだったんですか?」

「うんです? 別に大した作戦じゃねーです。えーとまず『再編』で敵をごちゃ混ぜにしてです」


雫は自身の作戦を説明し出す。彼女が今回の大戦で一番警戒していたのは生産職の存在であった。門の耐久値がとんでもなく、正攻法では大技を何度も食らわす必要がある。そんな中自分が門の改造を思いつき、実際にできたことを踏まえると、そこまではしなくとも門の修理くらいなら行うだろうと考えた。

そうなれば削っても削っても、治されてしまう。そのため『再編』を使用し、わんこたちに生産職狩りをお願いした。そしてわんこにはその混乱に乗じて『感染』を行ってもらった。


「今回使ったのは『老朽茸』ってのです。装備とかの非生物にだけ生える珍しいやつです」

「そんなのがあるんですか」

「寄生してる装備や周りの物を老朽化させる悪い奴なんです。強い装備とかには寄生するのに時間が掛かるですし、胞子がそんなに拡散しないですから、繁殖する範囲は狭いですけど」


そのため門に『感染』させるには、感染者たちが門に集まる方が好ましい。その点は、感染者を隔離するとすれば拠点奥であろうし、そうなれば門の近くに行ってくれるかもと雫は考えていた。そうなれば門が『感染』するのは時間の問題である。とはいえ門が『感染』しただけでは門の耐久値を削り切れはしない。しかし


「あの門は立派でちょっとやそっとじゃびくともしないです。となるとその重量は半端じゃない筈です。そんな門が『老朽茸』によってしたから老朽化してったらどうなるです?」

「ということはですよ。まさか…」

「名付けて『下から老朽化させて自重で破壊しないかな』作戦です」


雫は門のポテンシャルを信じたのだ。土台が少しでも綻びれば壊れるほどの重量であると。 結局、今回彼女は門を自衛させ、門を自滅させた。プレーヤーを倒すのではなく自国の門を守り、敵の門を破壊することを主目的として行動したのだった。


雫が起こしたパンデミックにしては感染者の被害がステータスの減少と一部のスキルの使用制限と軽微だったのは、感染してるのが装備だったからというオチ。


この頃スランプだなーと思ってたんですけど、思い返すと別に調子良かったときが無いので大丈夫でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ