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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第2章 魔国編
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それぞれの相手

雫ちゃん小話 『初戦負け』


門の改造を終え休憩してるとき、ふと繭を見ると、先ほどまで変化の無かった繭がどんどんと炎を吸収し大きくなっていく。


「あ、そろそろラスが羽化しそうです」

「わんわん!」


そして遂に繭が燃え盛り、その炎は鳥の形を形成し出す。そして


「ピィェーーー」

「おお、大きくなってるです」


羽化して成体となった嬉しさからか、飛び回るラス。興奮状態に陥ったことで体温がどんどんと上昇し、身体に炎が帯び始める。成体したことにより保有するエネルギーが大幅に上昇したのだろう。


「…ってヤバめです。ラス! あんまり興奮すんなです」

「ピィ? ピェェーー!」


これは雫も悪いのだが、ラスが羽化した場所は門の直ぐ側、自衛処理を施した門の直ぐ側であった。


『異常温度関知、敵性反応と断定。撃退します』

「ピィ…ェェェーー!」


成長し、たくましくなったラスの初戦は唐突に始まり終わった。ラスは初めての門クラッシャーの餌食となったのだった。

火を纏いし鳥。その表現には語弊がある。八咫烏であるラスの司りしは『太陽』。その下位属性の火を纏うなどプライドが許さない。

と、ラス本人は思っているが、実際、奴の今までの属性は太陽には程遠い火属性であった。しかし成体となり太陽属性を多少使える程の地力がついた今のラスは、自身の体温で周囲を燃やせるほどに成長し、それにより火を纏ってしまうようになった。


「ピェェーー!」

「く、くそ。こいつの側にいるだけでゴリゴリHPが削られてく」

「しかも装備の耐久値もな!」


太陽の祠で相対したときの熱による絶対防御には及ばないが、今のラスは八咫烏本来の戦い方の入門編くらいができるまでに成長したのだ。


ただラスは成体になったばかりであり、まだまだ不安定である。不用意に近づいてきた相手を2人、融解し終えたところまでは良かったが、相手が警戒してしまい近づいて来なくなった。とは言え、雫の作戦的にはそっちの方が好都合ではあった。

しかし人族側としてはラスの後ろに見える魔族軍を放っておく訳にもいかない。そのためラスを抑える戦力が投入される。


「彼方の魔族軍の対象を、貴方たちは。私たちがやります、あの鳥の相手は」

「シルースさん! それに『モンスターズ』の」

「やりますよ、皆さん。近づかないように、あの鳥には」

「「はい!」」


人族側は『モンスターズ』盟主、シルースをラスに当てるのだった。



魔族軍をよく視ていたホークの報告によると、因縁の相手が同行しているようだ。


「俺は龍を、お前は狼を。異論は無いな?」

「無いさ。こっちには幾つも借りがある。今回のでまた増えたしな。そろそろ清算しとかなくちゃな」


そして魔族軍の後ろをとことこ歩いていた2人の相手も決定した。


人族側にとっての勝ち筋は魔国の門を破壊すること。そしてそのための一番の障害は、雫たちであるとしている。ここで雫の配下を倒せば勝てると考えているのだろう。

そのプランがミシミシと音を立て、崩れ掛かっていることに気が付かない。気が付いた頃には手遅れであるのに



少し、ふざけすぎたか…

ラス覚醒はもうちょっと劇的にしたかったんですが、もう猶予が無いので…

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― 新着の感想 ―
[一言] 誤字報告 それぞれの相手 前書き 『異常温度(関)→(感)知、敵性反応と断定。撃退します』
[良い点] 敵だった頃の八咫烏の面影はほぼ無しに完全にラスはギャグ担当ですね だがそれでいい、むしろそれがいい
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