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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第2章 魔国編
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現状と飛来

王国の拠点ではソドムが今も尚侵攻しているが、他2国の拠点では幸い攻撃が止んでいる。この好機にどうにかして自陣を建て直そうと各国の盟主たちが奮闘する。


人族側は非戦闘員が中心であり、魔国側は戦闘職プレーヤーのほぼ半数で構成されていた攻撃組が、ベルたちによりほぼ壊滅された。被害状況だけで言えば魔国側もそれなりの被害が出ているように見える。しかし実際、魔国の主力は人族側とは異なりNPCの魔族であり、そもそも魔国の有力プレーヤーは雫など含め各々で動いているため、先の戦闘で滅んだ戦闘組は惜しくない犠牲と言える。となれば撃破ポイントは痛いが、戦闘でほぼ活躍が見込めない生産職が多数撃破されても戦況に変化は無いように見える。しかしそうではない。

『人魔大戦』ではクエストを達成することでもポイントが手に入る。戦闘職で言えば、主に撃破数が一定を越えた場合や有力なNPCを倒した場合である。一方、生産職は生産や装備の修理などを一定数行うことでポイントを獲得できる。他にもシークレットとなっている特殊なクエストも存在するが、生産職でもそれなりにポイントが取れるように設計されていたのだ。


「とするとポイントで追い付くのは厳しいか?」

「挽回可能です、今はまだ。厳しい状況です、これからポイントはどんどんと離されていき」

「ポイントで追い付くのは現実的ではないか。やはり門を破壊する必要があるな」


戦闘職が獲得できるポイントは、どうしても敵の人数によって上限が決定してしまう。その点からも生産職は大事であった。その生産職を多く失った人族側としては、純粋なポイント勝負は分が悪い。彼らが採りうる一番有効な作戦が門を破壊することなのであった。


「では早速行動しましょう、そうと決まれば」

「そうだな。何度も先手を取られてはいられない。王国拠点で『破壊王』を押さえてる間に攻めるぞ」

「なら…なんだか騒がしく無いか?」


早速、聖国拠点にいる者たちと合流し、侵攻するため準備に取り掛かろうとしたとき、拠点内がにわかに騒がしくなる。

するとベルのパーティーメンバーで、フィールドの監視を任されていた『鷹の目』ホークが報告に現れた。


「ホーク、何があった?」

「ベルさん。火の鳥です」

「火の鳥?」

「火を纏った鳥が侵攻してきました。現在、うちの精鋭で交戦中、既に2名が倒れています」

「何だと!」

「その後ろから魔族らしき軍団が」

「すぐに対策を!」


短い短い中盤戦は唐突に開幕する。既視感のある一匹の烏の侵攻によって。




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