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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第2章 魔国編
321/398

序盤戦終了

奇襲組を指揮していたベルが自国の拠点に戻ってきた時、そこには報告にあったわんこや四天王の姿は無かった。


「まさか撤退したのか? それとも王国の拠点にか?」


王国の拠点には四天王の1人、ソドムが向かっている。そこにわんこたちが加われば王国が落とされる可能性が高まる。


「ベル、違いますよ。交戦中ですが、『破壊王』ソドムと怒真紅たちが。報告はありません、わんこたちを見たという」

「シルースか。では本当に撤退したと」

「レディによると、聖国に飛ばされた。撤退したらしいですよ、『死術王』ナルタルたちも」

「そうか」


一時的だが、帝国と聖国の危機は去った。その事に安堵していたベルだったが、シルースの被害報告を聞いてそれも一気に吹き飛ぶ。


『再編』により防衛はガタガタとなった。それは単純に他国のプレーヤー同士が入れ替わった事によるものだけでなく、戦闘員と生産職などの非戦闘員の入れ替わりによっても引き起こされた。そして非戦闘員の多くは撃破されたか、それよりも悲惨な目に遭った。


「『感染』だと?」

「似たようなものかと、おそらく。感染源は茸だったようです、私が知る限り。やられました、低級の戦闘職と生産職が。隔離しています、拠点奥で」

「そうだな。あれは感染者の近くにい過ぎれば俺たちでも『感染』する」


『感染』による状態異常はそこまで酷いモノでは無かった。だからこそ帝国の拠点で広範囲に拡散してしまったとも言える。


「長期戦は不利となりました、生産職が削られた今。建て直しが必要です、早急に」

「そうだな。とは言えあれだけ大掛かりな作戦の狙いが生産職潰しとは考え難いが」


結局のところ『再編』による被害の大半が非戦闘員であり、作戦の規模と狙いが釣り合っていないように思われた。

彼らがわんこが仕掛けた『感染』の真の目的に気が付くのは、まだ先の事である。



魔国の拠点に戻ってきたわんこ。その表情は戦果と異なり浮かない。


「やっぱり門は硬かったです?」

「くぅん」

「まあやってほしいことは全部やってくれたですから、それでいいです」


雫の作戦は『再編』によって撹乱している間にとある事をしてもらい、その仕掛けのために生産職を間引いてもらうことであった。

しかしわんこや他の四天王は初戦で決着をつける心積もりであった。予想以上に門が堅牢でプレーヤーを相手しながらの門破壊を断念するしかなかったのだが。


「大勢いる敵を相手しながら大技を撃てるわけねーです。それに『再編』で戦闘できる奴らが門前に再配置されてたら尚更です。気にすんなです」

「わん…」

「もし気になるならこの後で頑張れです」

「わんわん!」


雫の一言で元気を取り戻すわんこ。雫の言うとおり、『人魔大戦』はまだまだ序章に過ぎないのであった。





ホントに頑張ってほしい、人族側。



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― 新着の感想 ―
[一言] 感染原因は茸ですか…身体中から茸が生えたりするのかな?もしかしてのこちゃんずになるの?
[一言] 非戦闘員を問答無用で戦闘エリアに出すとか凶暴性能すぎて草 これがまだ第一段階とは恐ろしい子・・・
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