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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第2章 魔国編
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残り一週間

人魔大戦まで残り一週間を切り、ルールなどの詳細も出揃ってきた今日この頃、各国に所属するプレイヤーたちは開戦の準備を着々と進めていた。そんな中、雫はと言うと


「なるほどです。剣の性質を棒に付与すると切れる棒ができるですか。で剣は消失するです。効率悪いですね。次は…」


新しく習得した『付与錬成』の実験に夢中であった。


「くらます! こっちに支援クエスト用の特級ポーション×100の素材が」

「やらんです。というか素材があるなら別の生産職に頼めです」

「人手が足りていないんだよ。ただでさえ魔国はクエスト達成度で他国に劣ってるんだから」

「知らんです」


雫の活躍でメインクエストやメインストーリーは大幅に進んでいる魔国。しかし一方で、支援クエストを始めとする各種サブクエストは殆ど手付かずなのが現状である。


逆に帝国などではメインクエストなどは殆ど進行していないが、サブクエストなどは人海戦術で着々と進み、最初の街やその周囲の街で受けられるモノは殆ど達成されていた。

そして先日の魔国のメインストーリー進行のアナウンスを受け、重い腰を上げた帝国所属のプレイヤーたちがメインストーリーに挑む準備を始めたらしい。


「そもそも何で今までやらんかったです?」

「難易度が高いのは勿論だけど、一番の理由はクエストだから1パーティーで攻略しなきゃいけないことかな? 帝国は特にだけど大手のクランが多いから」


国別のクエスト、特にメインクエストとなればその難易度は計り知れない。雫は簡単にクリアしたように見えるが、ナルタルにしてもアテナにしても運が良かったと言える。他のパーティーに同じ様にやれと言ってもそうそう出来るものではない。加えてもし攻略出来るとしてどこのパーティーがするか、がまた問題である。


クエスト報酬はどうするのか。クエスト中に入手したアイテムや素材は? もし失敗してストーリー進行が不可となったらどう責任を取るのかなど、そういった事を決めなければいけないのだ。


「実際、聖国で教皇の機嫌損ねて、プレイヤーへの好感度が一律で減少して特定エリアへの侵入が制限されたなんて事が起こったらしいしね」

「へーです」

「興味なさそう」

「そんなことは無いです。少し思うとこはあるです」


実際、雫は他国陣営が何をしていようが、極論魔国の人たちでさえ何をしていようが興味は無い雫だが、その事例は魔国でもあり得るだろうとは考えていた。


単純に四天王を倒して回っていた雫だが、メインストーリーの名前が『魔族王の復活』である以上、それだけではストーリーは完遂されないだろう。現にアテナを倒しても父親の関係で人魔大戦への参加を断られそうになったのだ。


「まあそもそもあと一週間じゃ進まんですけど」

「何か重要そうなことさらっと。というか話してるときは手を止めてよくらます!」


重要な事を考えている。そんなときでも『付与錬成』をする手が止まる気配はしない。それもまた雫らしさなのであった。

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