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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第2章 魔国編
301/398

新移動方法

かげろうの召喚が解除され、自力で『城』まで行かなければならず、雫の移動速度を考えると実質詰みであった。


「私より遅いプレイヤーを見たこと無いです…どうするかです」

「やば いね♪」


雫のAGIは無振りである。初期の頃は本当に鈍足であった。その後のアップデートでAGIが無振りだと現実世界と同様の移動速度になるよう改善されたが、それでも広大なマップを移動補正無しは厳しい。本当にわんこと出会って無ければ最初の街で終わっていたことだろう。

そんな始めたばかりのプレイヤーにすら劣る速度を誇る雫。彼女がこのまま徒歩で向かっても途中でわんこたちがゴールしてしまうだろう。考え込む雫。そして


「あ、あれならです」

「なに♪」

「この前、小枝が私のおすすめ漫画だよ。って渡してきた本に良い移動方法が載ってたのを思い出したです」


他の人がいない場所だとリアルネームを出しちゃう雫。小枝、PNをこえだと言う雫の友達は、偶に自身のハマった漫画やアニメを布教してくる。小枝の好みの漫画は大抵、雫の理解の範疇を越えた世界観が多かった。しかしゲームを1年間やったことで徐々にそのような世界観に理解を示せるようになった雫は、それらを家事と勉強の合間に読んでいたのだ。

それが役に立つときが来た。


「アンフェは危ないから少し離れているです」

「りょう かい♪」


アンフェが離れたことを確認した雫は通常のボムを取り出し、進行方向と逆向きに構える。


「これが、私が漫画でみた見た爆風走法です。ていっ!」


いつも通りの爆発音が鳴り響く。それに付随して爆風も吹き荒れる。そして雫はその爆風を利用して凄まじい早さで特攻していく。『死合わせ』で死なないからこそできる走法である。それがなければただの自爆走法であろう。やはり小枝は録なことを教えない。

後日、雫がこの走法のことを伝えると


「た、確かに爆風を利用して走ってるけど…それは違うよ」


というコメントをいただくことになった。


ただ、この走法には幾つかの利点が存在した。単純に移動速度が増したこと。そして『貴族街』にも希に迷宮化によって創られていない建造物。即ち人力で作られた建造物が存在する。そのためそこに上手く突っ込めばショートカットすることができるのだ。

ただこの走法にはそれらの利点を踏まえても、余りあるほどの欠点が存在する。装備品の耐久値はどんどん削られていき、ボムも無駄に消費する。微調整が利かず、変にショートカットすると逆に迷ってしまう。それなのに


「あ、着いたです」

「ほん とだ♪」


雫の謎運に掛かればたどり着いて仕舞うから不思議だ。


「よしです。じゃあ早速…あ、くそーです」

「ざん ねん♪」


しかしここでタイムアップである。わんこが『収集弾』を使用した。この無駄に行われた競争はギリギリ、わんこたちの逃げ切りで幕を閉じたのだった。





外伝「戦う錬金術師ですin異世界」も絶賛投稿中なのでよろしくお願いします



300話記念として投稿したのに誰からも300話を祝われなかったなー((ボソッ

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― 新着の感想 ―
[一言] 普通に楽しんで読んでるから、300話とか気にしてなかった。
[良い点] 301話おめでとーw 戦う錬金術師ですin異世界も読んでますよ [一言] もうちょい早く爆風走法に気づいてればわんことの競争にも勝てたかもw
[一言] 遅れ馳せながら300話おめでとうございます
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