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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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わんこですか

 雫は軽く絶望した。

 戦闘なんてどう足掻いたってできる気がしないのに、戦闘職を選んでしまったのだ。

 普通の人なら職業を変えるか、もう一度設定し直す所なのだが、ここは雫。

 何をとち狂ったのか、

「まあ多分錬金術師には錬金術師のいいところがあるです。」

 思いつきもしない。思いついたとしてもやり方がわからないだろうが。

「そういえば職業にはそれぞれ独自の能力があるとか言ってたです。」

 固有スキルのことである。そして『錬金術師』の固有スキルは『錬成』である。

「おっこれが私の能力ですね。なんか0ばっかしです。」

 雫はDEX極振りである。生産職でもそんなプレーヤーはいないだろう。

「この能力は、素材を選べば発動できるですか。 ふむふむ、よくわからんです。」

 『錬成』は『錬金術師』系統の固有スキルで、素材どうしを掛け合わせて新しい物を作り出す能力である。『錬金術師』の固有スキルは全て戦闘職には優先度の低いDEXにより成功率が変わる。戦闘職とは名ばかりで、初期ステータスでは戦闘が厳しくなる水準までDEXを振らなければどの職よりも弱く、レベルが低いうちはほぼ何もできない。DEXがあればある程度有能なのだがそこまでが大変である、このゲーム随一の不人気職なのだ。

 その点雫ならば少しDEXが上がればすぐに『錬成』を使いこなせるだろう。

 そう、DEXさえ上がれば。

「攻撃力が皆無です。防御力も皆無です。どうやって敵と戦えばいいですか。もういいです、一回行ってみるです。素材がなきゃダメっぽいです。」

 雫はもうやけくそになった。


フィールド 『始まりの草原』

 ここは戦闘の感覚をつかむチュートリアル的な所で、たいした敵は出てこない。

 しかし雫はそんな雑魚モンスターから3発攻撃をくらったら死ぬほどの紙装甲。

「なんかいいものはないのですか。」

 雫が適当にメニューをいじっていると持ち物欄に行きついた。

「食料とポーションとなんですかこれです。」

 雫が見つけたのは初心者応援アイテムだった。

・アイテム名 『無死の護符』

消耗品で30分だけいくら攻撃を受けても死なない代わりにこっちのダメージもあたえられなくなる。

「これすごいです。これで安心して素材とやらを集めれるです。」

 モンスターに囲まれたときなどの緊急脱出用のアイテムであり、最初のフィールドで使うようなものではないが、雫はそれを使いフィールド内を歩いていく。

 20分ほど散策し次のフィールドとの境くらいまで来てしまった雫。そろそろ戻ろうかと思っていると前方にビックリマークが見える。

「なんでしょうかです。」

 そういって近づくとそこにいたのはこのフィールドのモンスターのワーウルフがいた。それを見て雫は、

「なんですか。わんこがたおれてるです。」

と、暢気なことを言っていた。すると、


クエスト 『ワーウルフの子供を助けて』

10分以内にワーウルフの子供に食料を与えて

9分59秒

の文字がいきなり目の前に出てきた。

「与えてって言われてもどうやればいいかわからんです。そういえば食料と言えばなんか持ってたです。」

 そういって雫はメニューから持ち物欄を選択する。

「ここ押せばいいですか?」

 雫が食料の欄を押すと目の前に、クエストクリアの文字が現れた。

「へー簡単にクリアできたです。ん?」

 クエストクリアの下には報酬欄が書いてあった。その内容とは…

「わんこですか。」





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― 新着の感想 ―
[一言] 錬金術師が戦闘職...ドラ○ンズド○マかな?
[気になる点] いや、何もかもアホ。何であからさまに不遇なんて職業を造ったんだよ。何で錬金術師を戦闘職にカテゴリしたんだよ、する理由何も無いだろう、要求ステータスもまんま生産職なのに・・・ これ、運営…
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