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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第2章 魔国編
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タイムアタック

迷宮都市『ダイダロス』の中心に建ち迷宮都市の領主であり、四天王の一角『不落王』の住処である『城』。この『城』は迷宮都市でも最難関のエリアであるのだが、最難関足らしめる一番の要因が『城』の各階層に用意されたギミックと出現するモンスターの相性であった。

各階層の全体や一部には『装備効果無効』や『スキル効果無効』『アイテム使用不可』などの凶悪な領域効果が設置されている。そしてそのギミック内のモンスターは、ギミックが効かないモンスターが選ばれる。そして出現するモンスターの中にも、各ギミックに似た効果を付与した攻撃を繰り出す者がいる。ただでさえ強力なモンスタを相手に有利なフィールドで尚且つ、弱体化を受けながら戦うのだ。


「わんわん!」

「あるじはあぶない」

「………!」


このギミックの存在を知った瞬間はわんこたちも楽観視していた。雫はスキル『死合わせ』と自分の装備、鉄ちゃんの『霊亀の首飾り』の三重の守りを誇っている。しかしもしギミックの中に発動中のスキルを取り消す物があった場合『死合わせ』が解除される。そして次の階層が『装備効果無効』だった場合、雫は無防備になり得るのだ。それでもわんこたちの実力なら雫を守ることは出来るかもしれない。しかし『城』の最奥にはおそらく『不落王』が待ち構えていることを考えれば、雫の守りを手薄にするリスクは避けたい。そのため最奥までわんこたちだけで進み、万全な状態で雫を呼び出すのがベストなのだ。


「あるじにそれをはなせば…」

「くぅん」

「………」


それを雫に素直に話した場合、「わんこたちなら大丈夫だから私も行くです」と言う確率が5割くらいありそうだった。であれば黙って攻略してしまう手もあったのだが、そうなれば雫は完全に拗ねるだろう。そのためわんこたちは伝令かげろうを送り、それが雫の元に届き雫が『城』までくる間にできる限り攻略するという、本来ならば無駄なタイムアタックを仕掛けたのだった。


―――――――――――――――――――――――――


わんこの後を追って『城』に向かう雫。ルクアのお陰なのか『貴族街』にはすんなり入れたのだが、思いの外入り組んだ構造の『貴族街』に苦戦していた。しかしかげろうの上に乗り『死合わせ』発動中という無敵の移動砲台と化してる雫を阻めるモンスターもいないため、順調ではある。


「キャンキャン!」


ただわんこが雫を迎えに来ず『城』攻略を始めたというからにはそれなりの理由がある筈であり、ならば大人しく待っている方が良いのではとかげろうが進言する。


「だって♪」

「…わんこたちこういう行動を取ってるときは、私のために行動するために私が邪魔なときです」

「キャン?」

「でもかげろうが来てるですし、どうしてもって感じじゃないです。なら行った方が面白そうです」


雫はなぜわんこがこういった行動を取っているかを、ほぼ正確に理解していた。その上で雫は面白そうだと思う行動を選択するのだった。


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