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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第2章 魔国編
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代理人推薦

『地下街の主』となった雫が始めに提案したのが自身の商品を『地下街』で扱うことであった。雫としてはそこまで深く考えずにした提案だったのだが、ゴルディーたちに雫作のアイテムの数々を見せると彼らの方から頭を下げ、是非にと頼まれたためそういう運びとなった。


「それで姐さん。俺たちの方からで恐縮なんですが、ここの後ろ楯が姐さんだと分かるように何かできますか?」

「分かるようにです? 例えばどんなのです?」

「例えば自身の家紋付きの旗や銅像を建てたり、自分の部下なんかを派遣して統治させたりなんかですかね? 魔族王様がいた頃はそんな感じでした」


家紋なんて勿論無いし、銅像を建てられるのは勘弁して欲しい。となれば残されたのは部下の派遣であるが、これはむしろ丁度良い。


「私は何か後ろ楯とかよくわからんですし、そういうの得意そうなのにここを任せたいです。あとその護衛に2、3人くらい派遣するです…それで誰にするかです」


方針は決まったが人選が問題である。わんこたちは勿論却下であるし、ドリーやせーくんも難しい。となると選択肢は自ずと限られてくる。そうやって考えてる雫に珍しくもアンフェが提案する。


「エリ は?」

「えり…ああ、エリンです。まあ確かに人を使うのは得意そうですね。…まあ適任です」


折角のアンフェの提案ということもあり決定する。推薦されたエリンを呼び出すために雫は『キノコ栽培キット』をとりだした。この中には多種多様な茸を栽培してる他、それらの茸の栽培を助ける者たちもいる。その1人がエリンであった。

雫がエリンを取り出す。エリンの見た目は神樹妖精のドリーをより妖艶にし頭にきのこのカサを被った女性であった。


「…あら、主様ではありんせんか。お呼びで?」

「いきなりですまんですエリン。でも少し頼みがあるです。いいです?」

「ええ、それは勿論でありんす。主様は我々のこちゃんずの創造主でありんす。好きにお使いくだされ」


エリン。のこちゃんず精鋭部隊の1人で種族名『のこ導師』いつもは栽培キット内で未成熟な茸たちを導く役割をしている。


「それでわたくしは何をすればよいんでごさいます?」

「ここ『地下街』の統治を任せたいです。勿論、お前は弱いですし何人か護衛も出すですけどどうです?」

「…わたしくでよいでありんすか? わたくしよりのこの公爵などの方が適任かと愚考しまするが」

「あいつですか。まあそれもありですけど今回はアンフェの推薦もあるですしエリンに任せたいです」

「アンフェさんの。…ならばわたくしも尽力させていいだきまする」


確かに統治能力と言う点ではのこの公爵などの方が優れているのだが、いかんせん彼の統治は『頭の中のきのこ』等のスキルを利用した完全独裁である。

それならば優しく丁寧に胞子を入れることで、徐々に相手の思考や属性などを誘導するエリンの方がゴルディーたちも良いだろう。またアンフェには別の狙いがあるようで、エリンに何か指示を出していた。


「えーとあの方が姐さんの部下ですかい?」

「まあそんな感じです。うーん、エリンに任せるなら色々とここを弄りたいです。よしです。わんこ!」

「くぅん?」

「私は少しの間、ここで作業をするです。だからわんこたちは上で攻略を進めといてくれです。『城』まで行けたら呼びに来てくれです」


そう指示を出す。現在雫たちは『繁華街』を攻略中である。『城』は『貴族街』の中にあることを考えればそれなりの時間が掛かるだろう。


「…でも姐さん。『貴族街』に行くのはそれなりに大変ですぜ。貴族とのコネが無けりゃって話ですし」

「そうなんです?」

「『貴族街』に住む貴族や有力者たちの御用達の店の店主とか、兵として雇われたとか。貴族を助けて『貴族街』に入れて貰ったって奴もいるって話ですが眉唾物です。そもそも貴族たちが『繁華街』以降に来ることが少ないですし」

「じゃあどうするんです?」

「昔の『地下街』なら貴族の客やらもゴロゴロいたんですが…あ、噂としてなら『貴族街』に行く裏技が」


とゴルディーが話始めようとする。そのとき勇気を振り絞ったようなか細い声が聞こえてくる。


「あ、あの! わ、わたし!」


それは先ほど首輪を外してあげた少女であった。


「なんです?」

「『貴族街』になら…行けます」

『なにっ!』

「あれそうなんです? それは助かるです」


中々の衝撃発言を受けてゴルディーたち魔族組が固まるなか、雫は嬉しそうに微笑むのだった。





『のこ導師』エリン

エリンだけでなくのこちゃんず精鋭部隊のおおよそがドリーやアンフェなどの妖精系に憧れているため、見た目が似る。能力は成長を誘導したり促進することが得意。

導師と言うだけあり祈りを集めることも可能。

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