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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第2章 魔国編
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誘導の罠

迷宮都市『ダイダロス』の門の先には第3区域『市民街』が広がっている。そこを更に奥に進んでいくと第4『繁華街』、第5『貴族街』があり『貴族街』の中心に四天王の一角『不落王』が住む城がある。

と『市民街』をうろうろとしていた雫に親切な魔族が教えてくれる。


「ここが第3なら1と2はどこです?」

「ああ、1と2は『スラム街』と『貧民街』と言ってな、あんまりおすすめできる場所じゃねーんだ。行きたいなら街の外側に向かえば行ける。『繁華街』や『貴族街』へ行くのとは別に簡単に行けるぞ」


聞いてもいないことをペラペラ喋ってくれる。その後も街に出没するモンスターを排除しながら住人に聞き込みをして回ると皆親切に情報を提供してくる。そのお陰でここの事が大体把握できた。

『ダイダロス』は数字が上の区域ほど難易度が上昇し出現する宝箱の質も高い。基本的には襲われないと言っても例外があるため出現するモンスターの質に合わせて住人も高位魔族たちが殆どである。それに引き換え『スラム街』や『貧民街』は出てくるモンスターが弱く、他では生活できない魔族たちが暮らしている。そしてこの区域の特徴としてモンスターと連携して窃盗や襲撃、やられたプレーヤーに追い剥ぎをするなど治安がすこぶる悪い。

だがそんな場所だからこそ訳ありの者もいるようだ。そして『市民街』の住人曰く、『繁華街』や『貴族街』へは通常の迷宮のようにボスを倒せば行けるような単純な構造ではない。特殊な攻略方法が存在するらしくそれを駆使しないと先には進めないのだと言う。そしてそんな方法を訳あり人物たちが知ってるという噂もあるらしいのだ。


「住人がなぜか親切です。そしていかにも怪しい場所と人物が用意されてるです」

「わんわん!」

「わんこ。私を舐めてもらっちゃ困るです。私もゲーム歴約1年です。こう言う展開は経験済みです」


雫は自信満々な様子で胸を張る。表情は見事にどや顔である。それもその筈である。雫はこの1年で幾度となくこう言う経験を積んできたのだ。この程度の誘導を見破るのは容易い。


「これは罠です」

「わふ?」

「私は何度か明らかな誘導を受けたですけど、これに素直に乗ると大抵遠回りになるです。つまりこのまま奥に進むのが正解です!」

「なんだって」


誘導を見破るのは、容易いのだ。雫の予想ではここで『スラム街』や『貧民街』へ行くと、何か知ったかぶりのおじさんが現れて意味深な言葉を残して去っていくのだ。そしてそういった言葉を雫が理解することは無い。


「私は騙されんです」

「すご い♪」

「それじゃあ先に進むです!」

「くぅん」


そのため基本的に雫たちはこう言った謎解き要素に雫が気が付くことは少ない。雫の豪運によるときもあるが、大抵はわんこの『探求』など探索系スキルを駆使して突破してしまうのだ。

つまり某図書館を攻略したときからこの運命は決まっていたのかもしれない。わんこが有能すぎるが故に酷使されることは。



『スラム街』『貧民街』

住人もモンスターも最底辺だが、中には訳ありの者たちが潜んでいる。魔国の何処にでも現れる謎の情報屋。『貴族街』や『繁華街』でもそう出回らない代物を秘密裏に売っている商人。『城』の元門番など。彼らが登場するかは不明。


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