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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第2章 魔国編
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信仰されし者

『のこ聖樹』という別個の存在に進化した聖樹は、いつの間にか正式に雫の所有物となっていた。そのためその化身である『聖樹の子』のせーくんも正式に配下に加わったことになる。とは言え前よりはましになったが、聖樹からそんなに離れられないせーくんを他のメンバーのように連れ回すことはできない。ではせーくんはいつも何をやってるかと言えば信仰を振り撒いているのだ。


「信仰の基本は信じることだよ。利益を求めるのではなく聖樹、そしてまあ君たちの創造主、シズくんを敬い信じることから始まるんだ」

「のこのこのこのこ!」

「のの、こここののこ」

「のこーー!」

「よし。では君たちは他ののこちゃんずに伝えて来てくれ」


ここに来たばかりのせーくんは祈りを集めることに積極的ではなかった。それは『森精の街』での失敗があったからである。しかし別個の存在に進化し先日エルフたちの末路を聞いたことで少し変化が現れた。信者にキノコや植物などが加わった。彼らはエルフたちに比べて祈りの量は少ない。しかし1人1人がただ純粋に祈りを捧げているのが伝わってくる。ここにいる子供たちやマリアなどもそうだ。それはかつてのエルフたちのようであった。

せーくんはこれを保っていく布教を考え実行した。新たなのこちゃんずや孤児院周辺の植物たちに熱心に教えを説いている。


「そうですねー。シズさんは凄いですね。私もいつの間にか成長させていただきましたし。うふふ、貴方にも幸せが訪れますよ」


そしてその活動のお手伝いをしてくれているのがドライアドのドリー。少し前でもせーくんと同様、加護を与えられる程の位階であり妖精としての最高位の1つ『樹妖精』であったのだが、アンフェやせーくんたちの進化につられてちゃっかり『神樹妖精』となっていた。彼女は今まででも大概だったのだが、今では植物界のアイドルとして彼女自らが信仰対象になる勢いであった。彼女によって第4の街周辺の植物たちは軒並み信者になっていると言う。

そして今はいないがアンフェもかなり独特の方法ではあるが祈りを集めている。せーくんにとって彼女たちは2人とも大切な協力者である。その事に違いはない。違いはないのだがドリーとアンフェは『のこ聖樹』への信仰によって、その上位者である雫に祈りを集めようとしているふしがある。


「信者はみんな純粋な気持ちで信仰してくれているから文句を言いにくいけど、彼女たちがかなり打算的な気がするな…」


彼女たちは私利私欲というよりも雫のためという姿勢が強く、誰よりもその信仰をしてるので問題ないと思うことにしたせーくんであった。


――――――――――――――――――――――――――


人形造りの息抜きにのこちゃんずの品種改良ならぬ、魂改良を行ってるいる雫の元にメッセージが届く。


【条件 「一定以上の信仰を集める」 を達成したのでスキル『信仰されし者』が送られます。これにより属性『神』が付与されます。また信者からの加護が『信仰されし者』に統合されました】


「かみです? というか属性です? 確かに闇とか鉄とか氷とかは聞いたことあるです。けどかみですか。よくわかんないです。というか加護が消えたです」

「かご きえ ない♪」

「あれ? そうです。ならいいです」


雫はこの状況に慌てることなく受け入れるのだった。そして雫は神となった。


『信仰されし者』

一定以上の祈りを集めた者や物に与えられる。加護の逆バージョンで信者の能力を一部使えるようになる。ただこのスキルは信者の傾向や保有者によって効果が偏り、雫の場合戦闘に関する能力はほとんど使えない。そのため今までの加護で出来ていた行為がさらに強化されたと判断して相違ない。

これを得た者は属性『神』が付与される。今回の方法以外では自力で種族を神に由来するモノにする他ないためかなり特殊な属性。そもそも信仰を集めるプレーヤーが想定されていなかったとも言える。

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― 新着の感想 ―
[一言] 鉄ちゃんも龍神だから魔国側に神が2柱もいることになる。 絶望が更なる絶望に進化しまったようだ。
[一言] 最後の一文でお茶吹いた。 そうか…神になったかぁ…
[一言] 『神は君臨すれど統治せず』を自然と体現しているなぁ。 魂の改造によって、スキルに変化があるんだろうか?
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