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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第2章 魔国編
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霊魂貸与

わんこは雫の指示を受けながらラスの元に向かっていた。当初の予定では『十二守護魔』を殲滅した後にナルタルの元で合流の予定であったが、雫が異変を察知したことで変更となった。

先ほどまで接戦と言う名の泥仕合を繰り広げていたラスとナルタルだったがつい先ほど、厳密に言うと雫たちが『十二守護魔』を倒した瞬間から戦況がナルタル有利に変わっていった。それをラスの動揺から感じ取った雫は戻ることを決断した。


「わんわん!」

「いやわからんです。さっきの場所からは離れてるっぽいです。私がわかるのはラスの考えだけです。探すのはわんこがやってです」

「くぅん」


決断はしたが実行するためにはわんこの力頼りなのは相変わらずな雫。ただわんこも初見のフィールドで尚且つ入り組んだ城内から嗅覚頼りにラスのとこまで行くのは、できなくは無いがめんどくさいことこの上ない。

ため息を吐きながら走るのだった。


雫は今回のボス、ナルタルの能力についておおよそを把握し始めていた。そして雫が考察したナルタルの能力の弱点は今だと結論づけた。そしてそれはおおよそ正解であった。


「守護魔の人が言ってた『れいこんたいよ』は『霊魂貸与』です。つまり魂を貸す、この場合十二人に預けとくスキルだと思うです」

「わふ?」

「えーとです。さっきわんこがあの人に攻撃したです。それで倒したですけど死ななかったです。それは本体の魂が残ってたからだと思うです。」


つまりあの時のナルタルは脱け殻同然であったと言える。肉体は魂の入れ物にすぎないという言葉がある。『霊魂貸与』はそれに準ずる。肉体がダメージを受けボロボロになろうとも、魂が無事ならば問題ないのだろう。

肉体に傷を負えば魂にも連動して傷が付く筈だが、その魂を別の場所で保管しているから関係ない。そういうスキルなのだろう。


「それでです。私たちが守護魔の人たちを倒した瞬間、強くなったです」

「わん!」

「そうです。魂が肉体に戻ったからだと思うです。それでです。守護魔を全員倒した瞬間に一番強くなると思うですけど、今のうちに攻撃しとけば弱くなるなり、HPを削れるんじゃないかと思うです」


魂に造詣が深くない雫には今の状態のナルタルを攻撃した場合どうなるかはっきりと解るわけではないが、魂有りの状態のナルタルに致命傷を負わせられれば戻った分を魂を傷付けることは可能なのではと考えたのだ。


「だから急ぐですわんこ。鉄ちゃんたちが他を倒す前にです」

「…わん!」


そうやって敵の能力を考察する。これは雫の役割とも言える。そして雫にはその適正がある。まあファンタジー要素に疎いためたまにトンデモ理論を展開することもあるが。

何が言いたいかと言えばこんなに色々と考えて、それに応じて作戦を立てられるのに最終的にはボムという暴力による力業による解決を好むそのギャップはわんこにもわからないと言うことである。





『霊魂貸与』

魂=能力値を分割し他者に貸し与えとくスキル。貸し与えると言いつつもそれを何かに使えるわけではない。

弱点として貸してた者がやられると魂が帰ってくるがその時に攻撃を受けるとその魂分のHPは減少し、ナルタルが完全体に戻った時に既に満身創痍ということが起こりうる点が上げられる。




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― 新着の感想 ―
[一言] えっ。あとで仲間になるなら手加減は必要だが、 そうじゃないなら、魂を弄るんだし 国家錬金術師の力で、 スキル加工失敗とかをわざとすれば(傷の男(スカー)のように)、 敵の弱体もできるので、…
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