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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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グリフォンって…

「なんとかなったです。でもなんで私を見つけるとよってくるんですかね。」

わんこに乗りながらフィールドを駆けている雫。他のプレイヤーにできないことを平気でやる雫。その一端でも真似しようとする人たちの気持ちは雫の知らないことであった。

鉄ちゃんも召喚して第2の街を目指す。スキルの進化によっていままで一日に一回だった鉄ちゃんの召喚の制限もなくなり街を通り抜けるのに日を跨ぐ必要がなくなったこともありどんどん進んでいく。途中プレイヤーにも会うが、街中ではないため、あまり心配する必要がない。

「おー、なんか初めて見る素材もあるです。今日は行けるだけ行きたいです。」

雫たちの探索する上での一番の強みは回復用のアイテムを探索中に作り出せることかもしれない。

「今までの敵はなんか動物とか虫とかだったですけどここのはなんか普通じゃない感じで面白いです。わんこもそう思うですよね。」

「くぅん」

わんこは困ったように返す。この頃より一層賢くなったワンコである。また雫が言っている普通じゃない敵というのは、ファンタジー定番のスライムやゴブリンであった。といっても、このゲームではスライムやゴブリンは雑魚キャラではなくある程度強く設定されている。隊列を組んだり魔法を使ったりと色々と多彩な攻撃を仕掛けてくるようになっている。

「あのぶよぶよ、爆弾で攻撃して飛び散ったのにもとに戻るとかずるいです。わんこの影の攻撃にはすぐ倒れるのにです。わけわかんねーです。」

残念ながら雫には耐性とか弱点とかの概念は殆んどない。なんか効きそうとか効かなそうといったことを外見で判断しているだけなのであった。



第2の街が解放してから結構な時間がたっているがまだ第3の街にたどり着くものがいない理由、その最大のものがこのフィールドボスの存在であった。フィールドボスの名は「グリフォン」

HPが減ってくると空から風魔法での遠距離攻撃をしてくるというものであった。このボスの攻略の難しいところは近接戦闘職のプレイヤーが肉壁にしかならないという点であった。そして雫たちも未だ撃破したもののいない「グリフォン」と対面していた。


「おー。なんか鳥みたいだけど四足、中途半端です。あんまりもふもふして無さそうです。」

あんまり鳥が好きではない雫であった。

「…………」

そうこうしている間に鉄ちゃんが飛びかかる。しかしグリフォンは空に逃げ、威嚇するように鳴き声をあげる。

「キュピィィィィィィーーン」

そしてそのまま風魔法で攻撃してくる。グリフォンもこのパーティーの恐ろしさを直感で感じたようで、最初っから全力であった。

「なんかすごい風です。爆弾当たるですかね。」

と言いながら雫は爆弾を投げるが途中で風によって落とされてしまう。

わんこと鉄ちゃんに遠距離攻撃はない。鉄ちゃんは竜ではあるが鉄なので飛べないから空中戦は基本的に雫の爆弾頼りなのだが今はそれも使えない。今打てる手段は相手の攻撃を防ぐことだけであった。

「この風が止むまで待つのも面倒ですね。何か良い手はないですかね。」

雫は、自分たちの攻撃手段を改めて整理してみたそして1つ方法を思い付いた。

「よし、これならなんとかなるかもです。」

雫がわんこと鉄ちゃんに指示を出す。そして

「えーと、そこのなんかよくわからないの、いくですよ。」

グリフォンを知らないためか、なんともしまらない掛け声を発しながら爆弾を構える。それにはグリフォンも警戒する。

「えい」

雫が爆弾を投げる、しかし命中率だけはいいはずの雫の投擲だが、グリフォンの遥か上の方にいってしまった。自分の方に来ないとわかったグリフォンは警戒を爆弾から下にいる雫たちに切り替える。そして爆弾はグリフォンの上の方で爆発する。すると雫が 、

「今ですわんこ。」

と叫ぶ。するとわんこはスキルを発動する。『影法師』を覚えて使えるようになった新スキル『影移動』。わんこは影から影へ移動する、グリフォンの影から爆発によってできたグリフォンの上の煙の影へ。

「わんわん。」

グリフォンの上に移動したわんこは影から出る。いきなりのわんこの登場に驚くグリフォンを尻目にわんこの影魔法が炸裂する。さすがのグリフォンもわんこが上に乗ったままの戦闘は厳しいと判断し、わんこを振り落とそうとする。上ばかり気にしてるとどうなるか、雫の爆弾が飛ぶ。上にわんこで下に爆弾。こうなってしまったら後は早く為す術無く撃沈した。

「なんとかなったですね。」

「わんわん♪」

そんな喜ぶ二人を見つめながら鉄ちゃんは、

「…………」

出番がなく若干拗ねていた。しかしこれでやっと第2のフィールドボスの撃破が達成されたのである。






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