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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第2章 魔国編
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帝国会議

『人魔大戦』の情報が徐々に出だしおおよそのクランが所属する国を決めた頃、帝国に属することを決めたクランの代表はとある会議室で勢揃いしていた。その中には『正義の礫』や『剣聖の集い』『少女の楽園』などのトップクランの他に、『紅騎士団』や『モンスターズ』、『♱堕落の黒天子♱』などクラン対抗戦の入賞常連のクランばかりである。その他にも名が知れたクランも多い。


「これだけの面子を揃えるとはなぁ。よっぽどリベンジしたいらしいぃ。なぁアックスよぉ」

「やりすぎでは、これは。 ほとんどが集結してる、貴方が声掛けた。勝ちすぎてしまう、これでは」

「そうですよー。これじゃー、全員が報酬受け取れませんよー。僕らはともかくねー」


『紅騎士団』怒真紅、『モンスターズ』シルース、『♱堕落の黒天子♱』アザゼルが順に発言する。やはり参加してるクラン数は多くとも、有名どころが発言力を持っているためか、彼ら中心で話が進んでいく。


「報酬の分配については後でしっかりとする。それよりもだ。確かに戦闘系クランは想定以上に集まってくれた。しかし生産系クランの集まりが悪い」

「まぁルールがルールだしなぁ、大手クランが多い帝国に生産系がこないのも分かるぅ」

「ポイントが変わるようですね 製作した装備の貢献度で。それならば属さないでしょう 帝国には」


『人魔大戦』でポイントを獲得する手段は多種多様であるが、生産職が取れる手段は限られており、その中の1つに製作した装備やアイテムの活躍に応じてポイントを獲得するというのがあるが、大手クランは自身のクラン専属の生産職がいることが多く生産系クランが十分に活躍できるとは言い難いのだ。それでも勝ち馬に乗ろうとするクランは多いのだが。


「つい先日の話だけど『春の滴』が魔国へ属したの。アックスが真っ先に声掛けしてたのに、これは本当に想定外よね?」

「そーなんだー。あそこはねー。厄介だなー」

「メンバーはこっち側だったがハルを説得できなかった。だからこそこの会議を開いたと言ってもいい」

「想定外 確かに。心配するほどではないのでは それほど」

「わかっていないな。『春の滴』と『神の雫』の組み合わせの酷さを」


実際に相対したことがある者と噂でしか聞いたことのない者では危機感に違いがある。


「確かにハルさんはヤバいしぃ、シズってのもヤバいのは聞いてるぅ。でも警戒するのは1パーティーだろぉ? 袋で終いだろぉ」

「そのパーティーを警戒しないといけないんだ。それに彼女に人海戦術は通用しない。下手に囲めば大損害だ。しかも『春の滴』と組めばどんなアイテムが造られるか分かったもんじゃない。迂闊に倒しにも行けなくなる」


『春の滴』は最大手生産系クランであり優秀な生産職が揃っている。そしてシズは独自の技術と特異な素材を大量に持っている。この組み合わせを警戒しないのは愚かだとアックスたちは主張する。


「とここまでネガティブな事を言ったが油断してほしく無いだけだ。必要以上に恐れることはない。相手の人数は圧倒的に少ない。しかも国別のクエストもほとんど進まないだろうから、NPCも弱いままだろう。油断せず対策を立てれば負けることはない。じゃあ布陣から決めていこう」


油断せずにいこう。こう言葉が出るときほど油断しているのだが気づく者はいない。と言うよりも人数差と戦力差が圧倒的なので言葉で警戒しようと言っても内心負けるはずがないと思う。これは当然なのだ。

だから彼らは勝つこと前提でどう勝つかを考える。どのように勝てば一番利益があるかということに終始する。彼らは一枚岩では決してないのだ。



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