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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第2章 魔国編
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日々進化

魔王ディアボロスから入国許可証を手に入れた雫たちは魔族に囲まれて捗っている瞳も一緒に『神の雫』クランハウスの孤児院に戻ってきていた。当初の予定では入国許可証を手に入れたら各自別行動をとる予定だったのだが、思ったほど入国許可証の効果が優れていないこともあり予定を立て直すこととなった。

雫としては勝手にしてくれとも思ったがフレンドにメッセージを送るのもたどたどしいくせに、勝手気儘に行動する雫には一応の活動方針を決めておいてもらわないと困る、とメンバーたちに詰め寄られ渋々戻る羽目になった。そのためやる気がないのか会議を横目に製作に夢中な様子だ。


「私たちはとりあえず支援クエをやって貢献度稼ぎするよ」

「確かお金以外にもアイテムとかを納めればレア度に応じてレア度が上がるっぽいからね」

「それが終わったらあたしたちも魔国へ乗り込む感じだね?」


支援クエスト。一部の着せ替えアイテムなどを除く全アイテムとお金を納めるクエストであり、これは何処にいても受けることが可能なモノである。これを進めることで一般NPCの数やレベル、装備の質が上がる反面、クリア報酬が隠しパラメータの貢献度微上昇くらいであり旨味が少ないため、余裕のあるクランがほどほどにやっているという印象なのだ。


「ふふふ、雑魚をいくら強化しようが雑魚なのだからな。強者に踏み潰されておしまいだろう!

ならばこそ我は闇の住人共との宴に興じよう!」

「いや、アイさーん…駄目か。

ほら、くらます。アイさんが狂ったよ!」


雫が側にいるときは比較的まともな瞳だが、雫が周りを気にしてないのをいいことに自分の世界に入り込んでしまったようだ。


「アイが変なのはいつもです。ほっとけばいいです。まあ魔族を闇とする根拠はわからんですけど」

「今それはどうでも…はぁ」


自身のクランのダメさ加減を思い知らされてはため息も出る。とは言え雫がクランの方針を決めてくれなければ個人の活動方針も詳細を練れない。すると漸く雫の手が止まる。


「そもそも『人魔大戦』の勝敗ってどう決まるです? 全滅したら負けとかです?」

「それは全滅したら負けだけど…確か陣取りゲームみたいなルールになると思うよ。詳細はまだ未発表だけど」


『人魔大戦』の設定が魔族に奪われた土地を取り戻そうというふわっとしたモノであり、『人魔大戦』は定期開催の予定であり人族側が勝てば3国の活躍の度合いに応じて領地が増え、魔族側が勝てば三国の活躍に反比例して侵攻されることになる。


「とはいっても確か現段階でほとんどのクランが人族側だし、人数差は歴然ですから要所に人数集中させて防衛主体じゃないと無理だと思うけど」

「細かいことはどうでもいいです。それに私としては味方は少ない方が良いですから…誤爆しなくて済むですし」

「ちょ、やめてよくらます! 只でさえ少ない味方を減らすの」

「やむを得ない犠牲ってあるです。私のボムは日々進化してるです」


雫のボムを見たことがある面々からすると、あんなものが進化を続けるなどあってはならないだろう。

なし崩し的にクランの窓口として他の魔国側のクランと顔見知りになった煉歌は、大戦後に来るであろうクレームを想像してまたため息を吐くのだった。




『ボム』

プレイヤーでこれを作れる者はほとんどおらず、限られた生産ギルドが取り扱っている物の他にはオークションに極稀に流れてくるものがある。それらは消耗品とは思えない程の値が付くこともある。

また一般には出回らない特別仕様のボムは命中率や味方へのダメージ無効などの無駄な要素を排除し威力と規模のみを追求した悪魔の如き代物だという噂もある


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