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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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哀しみの男子の野望

スキル進化で『鉄竜召喚』は『鉄竜使役』となった。ランたちこの世界に詳しい人たちの見解では、鉄ちゃんはいままで雫によって生み出された魔法のような存在からわんことかと同じようにモンスターとなったらしい。そのときの雫の反応は

「だからなんです?」

だったのだが。このスキルの進化によって鉄ちゃんはスキルなどを覚えレベルアップもできるため、どんどん強くなることができるのだ。

そしてその鉄ちゃんが初のスキルが『眷属召喚』というもので、それにより生み出されたのが「リトルアイアンドラゴン」いわゆるちっちゃい鉄ちゃんであったので、雫が「小鉄」と命名したのだ。

今日は鉄ちゃんとわんこのできるようになったことを確認しようと亜人の街を離れて森で素材集めをしながらすることにした。

「それじゃあ先ず、鉄ちゃんは、小鉄と一緒に戦ってみるです。小鉄はダメだけど鉄ちゃんはレベルアップするみたいですからレベル上げです。それでわんこは私が素材集めをしてる間守るです。あとで交代するです。」

「わんわん。」

「…………」

指示を出すと鉄ちゃんと小鉄はすぐに敵モンスターのところに向かっていった。雫も素材集めを開始する。


この森は状態異常にする攻撃をするモンスターが多く難易度が高めである。加えてあまりにとれる素材も難易度のわりに高価でもないので人がほとんどいない。しかしこの森は鉄ちゃんや小鉄にとっては独壇場である。鉄だから。

「…………」

鉄ちゃんの突進に耐えられるモンスターはこの森にほとんどいない。

小鉄は小鉄で小ささを活かして鉄ちゃんの撃ち漏らしを対処していく。2体はこの森のモンスターを狩り尽くさんとばかり倒していった。


その頃雫も素材集めと錬成により色々とイベントで減ったものの補充をしていた。

「まあ爆弾はこれくらいでいいです。ポーションもまだ大丈夫です。それにしてもわんこの影さばきは見事です。MPの消費も最初の頃とは全然違うです。まあといっても私が見ても詳しくは分からんですよ。まああとはわんこの方で確認するです。」

「わんわん」

わんこのスキル『影使い』は『影法師』となった。消費MPや操作精度等の向上や新たにスキルなんかも手に入れた。


『影移動』 スキルの持ち主以外の影の中に潜ることができる。ただし潜っている影の持ち主がダメージを受けた場合強制的に影から出される。

そして影と影の間を行き来できる。


説明欄に乗っている以外にも色々と制限はありそうだがこれでよりわんこの移動速度が上がるのである。

そして雫たちは検証を終わらせた。

「さて、どうするです?また亜人の街に戻るか別の街に行くか。」

「わんわん」

「…………」

「ランさんたちにはかなりお世話になったからそろそろ別のところに行くですよ。いいです?」

基本的にわんこたちは雫に逆らうことはないので亜人の街とは一旦おさらばして先に進むことにした。


森から最初の街に戻り先ずはログアウトして明日から進もうとする雫たち。しかし街に戻ると予想外のことが起こる。

「あのーすいません、シズさんですよね。」

「やっぱり。その狼ってどこで手に入るんですか。」

「竜とか爆弾の入手方法も教えてください。」

「ぼ、ぼくとフレンド登録を…」

等と街に入るとすぐに囲まれてしまったのだ。ここは戦闘禁止区域の為追い払うこともできない。一応そのときのためのGMコールという対処法があるのだが例の通り雫がそれを知るわけがない。

「なんですか、私なんかしたかです。」

雫も混乱している。事態の収集がつかなくなりかけたそのとき。雫が

「あっそうです。もう街中ですし。ほいログアウト。」

消えた。

残されたプレイヤーたちはただ呆然と立ち尽くしていた。

ログアウトした雫は明日からのことを考えていた。

「また囲まれると面倒です。ログインした瞬間、わんこにのって逃げればいいですかね。まあなんとかなるです。」

お気楽な雫であった。





朝、目を覚ました雫は、親たちが基本的にいないため朝食を作り、早めに登校する。学校では基本的に本を読んでいるため友達は少ない。ただ成績は優秀で友達が少なく学校でしゃべることがあまりないため、クールで知的だと男子から意外にモテている。ただ鈍感なため告白されても気づかず、「ありがとうです。」のみなため、かわいそうな男子を量産しているのだが。


しかし今日はいつもとは違った。昨日の雫を囲んだ冒険者のなかに雫の同級生がいたのだ。そして顔や体型から雫だと確信し、喋りかけてきたのだ。

「神崎さんちょっといいかな?」

「なんです?」

「神崎さんってVVOやってるよね。」

「VVO?なんですそれ、なんかの競技ですか?」

「えっ、い、いやー何でもないよ、ごめんね気にしないで。」

「Variety virtual Online」このゲームの略称VVOを雫が知っているはずがなく、あわよくば共通の話題で仲良くなれるかもという彼の野望は潰えたのであった。






日常パートを少し入れてみました。これから少しはゲーム以外のシーンも入れていこうかと思っています。

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