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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第2章 魔国編
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魔印

『戦将』アシュタロが突如現れたと思ったら降参を宣言した。理解が追い付かないのかわんこたちは呆然としている。


「まあ、いきなりこんなことを言われても…」

「それは助かるです。いやー長かったです。戦闘とかも飽きてきてたですし。早く『魔国』に入りたいです」

「えーと…」


雫はと言うとすんなりと受け入れた。アシュタロが何か言いかけていたがそれも聞いておらずどんどん話を進めていきそうになる。何か話したそうにおろおろするアシュタロを見て可哀想になったわんこが助け船を出す。


「わんわん!」

「え、理由です?別にどうでもです」

「ふふふ、理由を聞かれては答えぬ訳にはいかないな。それは貴殿らが既に我を倒しているからに他ならない。我の『独りな軍勢』をな」


『独りな軍勢』とは召喚系スキルに属し軍隊を召喚するスキルである。ただこのスキルで召喚される軍隊の個々のレベルは驚くほど低く通常の人が使いこなせるスキルとは言い難い。しかし彼のスキルは『指揮』や『鼓舞』など多人数戦闘専用の支援職のような構成でありそれの練度を極限まで高めることで個人で多人数戦闘を可能にしているのだ。これこそ『戦将』の由来でもある。

ただスキル構成からわかる通り支援職特化なため個人の戦闘能力は察しの通りである。

基本のステータスが高い魔族なので個人の戦闘力が雫ほどに弱い訳ではないが、『蟲将』ベルゼブブを打倒できる相手と戦える訳もなく『独りな軍勢』を倒された時点で降参したのだ。


「へーです」

「興味なしか。まあよい。我ら三将を倒したのだ。貴殿らにはこれを授けよう」


長い説明を聞き流していた雫に何かを手渡してくる。バッチのようだ。


「これこそ『魔国』への入国に必要な『魔印』だ。これを見せれば我々に認められ入国したということが即座にわかる」

「どうもです」


『魔印』は雫だけでなく全員分あるようなので取り敢えず装備しておく雫たち。ただアシュタロの話では入国に必要という話であるため一度入国してしまえば装備しておく必要はない。というかそもそもこういう通行書などは所持していればよく装備する必要は無いことが多数なのだがそういうこと知らない雫。それを訂正する人もいないのでそのままである。


「取り敢えず入国したら魔都にある『魔王城』に行ってみてくれるとありがたい」

「『魔王城』です?」

「我らが主ディアボロス様は我ら三将が敗れるほどの逸材となら話をしてみたいと仰っていたゆえ」

「…まあ気が向いたら行くです」

「それで構わぬ。『魔印』を所持していれば『魔王城』にも入れるのでな」

「わかったです」


アシュタロと話を終えた雫は先に進んでいく。こうして長かった『魔大陸』の旅も終わりを迎えるのだった。



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― 新着の感想 ―
[気になる点] 予定通り? 特に躓くこともなく順調に魔国入りした(本国への入国は今回まだしてないけども)雫たちなわけだけど、他のクランメンバーたちはちゃんと魔国に入れる、というか辿り着けるのかね?
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